私的録画補償金管理協会(SARVH)がデジタル放送専用録画機(つまりアナログ放送は録画しない装置)の補償金を期限までに支払わなかった東芝を相手取って起こした訴訟において、東芝の勝訴が確定した。第一審と第二審では東芝が勝訴しており、SARVHが行った上告を最高裁場所が棄却したため、これまでの判決が確定した。

 現行の補償金制度においてSARVHは、家電メーカーの協力を得て消費者から補償金を徴収している。一方で東芝は、著作権保護技術が採用されているデジタル放送の専用録画機については、「補償金の対象になるか疑義がある」という考えの下で製品価格に補償金を上乗せせずに販売していた。補償金の支払も期限までに行わなかった。これを受けてSARVHは2009年11月10日に東芝を相手取り、東京地方裁判所に提訴を行った。

 第一審で東京地裁は、争点の一つである「デジタル放送専用録画機は補償金制度の対象になるか否か」については、SARVHの主張を認めて「補償金の対象になる」とした。一方で、SARVHの東芝に対する損害金および訴訟費用の支払い請求は退けた(関連記事へ)。

 知的財産高等裁判所に舞台を移した第二審では、「デジタル放送専用録画機は補償金制度の対象になると解釈するのは困難」という理由から、知財高裁はSARVHの主張を退けた(関連記事へ)。これを受けてSARVHは最高裁へ上告を行っていた。