図●扱えるようになる異体字の例
図●扱えるようになる異体字の例
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 日本マイクロソフトは2012年11月9日、Windows VistaやWindows 7を対象に、同社のオフィス製品(Word、Excel、PowerPoint)で人名、地名など難しい漢字を取り扱えるようにするアドイン「Unicode IVS Add-in for Microsoft Office」を無償で配布すると発表した。人名や地名を扱うことが多い官公庁や自治体、金融機関などにニーズがあるという。

 このアドインをインストールすることで、戸籍統一文字、住民基本台帳ネットワークシステム統一文字を含め、「Unicode IVD(UTS#37)」に対応した約5万8000の文字を扱えるようになる()。ただし実際に利用するには、アドインとは別に対応フォント(IPAが無償配布するIPAmj明朝など)をインストールする必要がある。

 マイクロソフトの運営するオープンソースポータルサイト「CodePlex」より数日中にダウンロード可能となる見通し。ソースコードは自由に改変、2次利用できる。「難しい人名、地名を扱えるソフトウエアの開発に役立てて欲しい」(マイクロソフト ディベロップメントの加治佐俊一社長)。

 Unicode IVDは、Unicode標準に準拠した形で、ユーザー定義文字(外字)を使わずに異体字を扱える仕組みのこと。これまでWindows 7は不完全ながらUnicode IVDに対応していたが、正式サポートはしていなかった。今回のアドインと対応フォントを適用することで、Offie2007、Office2010でUnicode IVD対応の文字を閲覧、編集、印刷できるようになる。

 Windows 8はメモ帳を含めてOSレベルでUnicode IVDを正式にサポートしており、フォントをインストールすれば異体字を扱えるようになるという。