図●2012年第3四半期 国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェアと対前年成長率(実績値)<br>出典:IDC Japan(2012年11月)
図●2012年第3四半期 国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェアと対前年成長率(実績値)<br>出典:IDC Japan(2012年11月)
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 IDC Japanは2012年11月8日、2012年第3四半期(7月~9月)の国内クライアントPC市場の出荷実績値を発表した。総出荷台数は372万台で、前年同期比5.9%減となった。

 同市場を家庭市場とビジネス市場に分けると、家庭市場の出荷台数は前年同期比18.6%減の158万台。IDCではマイナス成長となった要因として、「Windows 8」発売前の買い控えの影響のほか、同四半期にPC関連の大きなイベントがなく、消費者がPC売り場を訪れる機会が少なかったこと、また、これまでベンダー間で展開されてきた価格競争に息切れが生じ、値引き要求への対応が困難となったベンダーが出荷を抑えたことを挙げている。

 一方ビジネス市場は、買い替え需要が好調に推移し、出荷台数が前年同期比6.4%増の214万台となった。IDCによると、大企業だけでなく中小企業でも需要があったという。だが、家庭市場での価格下落の影響で大型案件では値引き要求が強く、利益率によってベンダーが案件を判別している動向が見られるという。

 ベンダーのシェアは、2012年第2四半期から順位の変動はなく、1位がNECレノボグループ、2位が富士通、3位が東芝、4位が日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、5位がデルとなった。

 統合後1年が経過したNECレノボグループは、国内出荷台数の4分の1のシェアを維持するようになったが、今期はビジネス市場での出荷が伸びず、全体の前年同期比成長率はマイナス成長となった。

 富士通は、上位5社の中で唯一プラス成長を達成。家庭市場向けの出荷は振わなかったものの、ビジネス市場で2桁成長となった。同様に東芝もビジネス市場が2桁成長となったが、家庭市場のマイナス成長を補いきれず、全体ではマイナス成長となった。

 日本HPおよびデルは、ともにビジネス市場で1桁成長、家庭市場はマイナス成長だった。