米AT&Tは現地時間2012年11月7日、無線および有線ブロードバンドネットワークの強化に140億ドルを投じる計画を明らかにした。高速インターネット接続への需要拡大と、新たなモバイル、アプリケーション、およびクラウドサービスへの顧客の需要に応えるためであるとしている。

 「Project Velocity IP(VIP)」と名付けられた同計画では、今後3年にわたって無線通信事業に80億ドル、有線通信事業に60億ドルを投資する。

 無線通信事業では、高速無線通信ネットワーク「4G LTE」を拡張し、2014年に3億人をカバーすることを目指す。「2013年までに約2億5000万人」を目的としていた従来計画をさらに拡大する。これにより同社が22州で展開している有線サービスエリアの99%の住居やオフィスが4G LTEにアクセスできるようになるという。

 同社は4G LTE提供のために無線帯域を追加購入する予定で、米連邦通信委員会(FCC)に対して、長期的なニーズのために無線帯域をさらに解放するよう引き続き提唱していくとしている。

 有線通信事業においては、光ファイバーベースの「U-verse」サービス(テレビ、インターネット、VoIP)を約850万回線追加し、2015年末を目処に合計3300万回線で使えるようにするほか、2013年までにIP DSLベースの「U-verse IPDSLAM」サービス(インターネット、VoIP)を2400万回線で展開する。また、U-verseを最大75Mbpsに、U-verse IPDSLAMを最大45Mbpsにそれぞれ通信速度を向上する。

 さらに、マルチテナントビル向けの光ファイバーネットワークも拡張し、2015年までに新たに100万回線でサービスを提供できるようにする。

 AT&Tは、Project VIPにより、現在総売上高の約80%を占める有線と無線データ通信およびマネージドITサービスの売上げが2016年には90%を占めるようになると見ている。また向こう3年間の1株当たり利益の伸び率を5%前後と見込んでいる。

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