NECは2012年11月7日、データセンター側に置いた独自仕様のスマートフォンの画面をシンクライアント(画面情報端末)型で遠隔操作できるようにするシステム構築サービス「NEC Cloud Smartphone」(写真1、写真2)を発表、同日販売を開始した。VDI(デスクトップ仮想化)のスマートフォン版に相当する。SI費用は個別対応だが、サーバー部分のシステム価格(参考価格)は100ユーザーで360万円。販売目標は今後5年間で200億円。
仮想マシンとして実現した独自仕様のスマートフォン端末(Linuxベース)をデータセンター側で動作させ、これの画面情報だけを手元に持ってくることによってリモート操作できるようにするシステム構築サービスである。GPSなどの各種センサーは、手元のスマートフォンが備えているものを利用できる。
画面情報端末プロトコルはNECの独自開発であり、これを使うためのシンクライアントアプリケーション自体が、手元のスマートフォン(Android)上で動作する。これにより、あたかも手元で動作しているかのように、データセンター上の仮想スマートフォンを操作できる。パソコン向けのVDIシステム同様に、アクセス端末と接続先端末を1対1でひも付けるコネクションブローカー機能も提供する。
仮想スマートフォン上では、一般的なスマートフォン(Androidなど)と同様のアプリケーション群が最初から標準で動作している。メール/スケジューラー、Webブラウザー、音声通話などのアプリケーションである。さらに、オプションとして、ウイルス対策ソフトやMDM(モバイルデバイス管理)ソフトなどのセキュリティソフトを用意している。NECに開発を依頼することによって、ユーザー企業ごとの独自開発アプリケーションを動作させることも可能である。
シンクライアントソフトの稼働OSは、サービス開始当初はAndroidに限られる。順次、iOS版(iPad/iPhone)やWindows版の端末ソフトを用意する。