NTTは2012年11月7日、北米におけるクラウド事業に関する記者説明会を開催し、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、ディメンションデータのグループ3社が連携してクラウド事業を推進することなどを明らかにした。3社は「N-Cloud」と呼ぶクラウドに関する共通フレームワーク(枠組み)を開発し、クラウドを使ったシステム構築や運用を含む包括的なサービス提供を図る。
記者説明会では、ディメンションデータのクラウドソリューションビジネス事業部長であるスティーブ・ノラ氏(写真1)、NTTコミュニケーションズの米国法人であるNTTアメリカの五味和洋社長兼CEO(写真2)、NTTデータ 米国現地法人のクラウドサービス事業本部長であるマーヴ・ムシャワー氏(写真3)が登壇した。
日本市場ではグループ各社がそれぞれ独自にクラウド事業を行っているNTTグループだが、北米ではこの3社がN-Cloudというフレームワークの下にサービス提供を図る。なおN-Cloudはフレームワークの開発コード名で、サービスの本格開始時には、これとは異なるブランド名を付けるとしている。
N-Cloudは、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)といったクラウドサービス本体(N-Cloudでは「運用サービス」と呼ぶ)に加えて、顧客に対してクラウド利用のコンサルティングなどを行う「アドバイザリーサービス」、顧客の既存システムをクラウドに移行する「移行サービス」、クラウド上に構築したシステムを運用する「マネジメントサービス」からなる。運用サービスはNTTコミュニケーションズが、アドバイザリーサービスや移行サービス、マネジメントサービスなどはNTTデータやディメンションサービスが提供する。
NTTアメリカの五味社長は、「北米においてNTTグループが何をできるのか検討してきた。クラウドの提供は、その回答の一つだ」と語り、3社が北米では共同歩調をとっていることを強調した。NTTデータのムシャワー氏は、「NTTグループは『Salesforce CRM』の導入コンサルティングで大手だ」と強調した。これはNTTが2012年9月に、米国のITコンサルティング会社であるセンタースタンスを買収したことを指す。
ディメンションデータのノーラ氏は、インドネシアの通信事業者インドサットが2012年10月に開始したパブリック・クラウド・サービス「Indosat Cloud」のシステム構築を、ディメンションデータが担当したことを例に挙げて、「NTTグループは、クラウド市場において十分な実績を有している」と語った。
マーヴ・ムシャワー氏とスティーブ・ノラ氏の日本語での表記および肩書きを適切なものに変更しました。 [2012/11/08 22:35]