写真●Pro 5000シリーズの外観
写真●Pro 5000シリーズの外観
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 ドットヒルシステムズは2012年11月7日、SANストレージの新機種「Pro 5000シリーズ」(写真)を発表、同日販売を開始した。2012年12月17日に出荷開始する。自動階層化をリアルタイムに実施できる点で他社よりも優れているとしている。

 SANストレージに求められる機能を一通り備えた、SAN接続(Fibre ChannelおよびiSCSI)ストレージである。例えば、異なるドライブの混在環境でストレージプールを構成、シンプロビジョニング(ボリューム容量仮想化)、自動的なILM(階層型ストレージ管理)、---などの機能を利用できる。これらの機能を提供するのは、同社のストレージ製品としてはPro 5000が初めて。

 最大の特徴として同社が挙げるのが、動的なILM機能である。具体的には、最大3階層(SSD/SAS/ニアラインSAS)のドライブ間において、データサイズ4Mバイトのブロック単位、リアルタイムに近い間隔(5秒に1回)で、データを移動することができる。「バッチ処理でまとめて移動するのではなく、リアルタイムに移動できる点で他社と比べて優れている」(同社)としている。

 5秒間隔でILM処理を実施しても負荷は小さいとしている。I/O当たりの処理速度は1マイクロ秒程度であるほか、ILM機能によって消費するCPU負荷は1%程度としている。そもそも5秒間隔の場合、1回あたりのデータ移動量が小さくて済む。なお、高速に処理したいボリュームについては、SSD(最上位階層)に固定化して利用する運用も可能である。

 運用管理にかかわるユーザーインタフェースも工夫されており、難しい設定は必要ないとしている。ストレージプールを構成する個々のドライブ構成も意識する必要がない(SAS/ニアラインSASは10基単位でRAID 6構成、SSDはRAID 1構成となる)。

 本体(コントローラーヘッド)と拡張用JBODで構成する。いずれも2Uラックマウント型である。本体は、搭載ドライブの設定に応じて、(1)2階層(SAS/ニアラインSAS)+キャッシュ(SSD)、(2)2階層(SSD/SAS)、(3)3階層(SSD/SAS/ニアラインSAS)---の3種類を用意した。一方、JBODは、2.5型ドライブ×24基または3.5型ドライブ×12基のきょう体を用意している。

 本体の参考価格例(税別)は、400GバイトSSD×4基と600GバイトSAS×44基の構成で1265万1000円。400GバイトSSD×4基と600GバイトSAS×22基と3TバイトニアラインSAS×22基の構成で1557万6000円。