写真1●サムスン電子ジャパンが2013年1月上旬に発売するゼロクライアントの新製品「NC241」
写真1●サムスン電子ジャパンが2013年1月上旬に発売するゼロクライアントの新製品「NC241」
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写真2●サムスン電子ジャパンDisplay営業Groupの宮田隆部長
写真2●サムスン電子ジャパンDisplay営業Groupの宮田隆部長
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 サムスン電子ジャパンは2012年11月5日、仮想デスクトップ組み込み型液晶ディスプレー「ゼロクライアント」の新製品2機種を発表した。19インチ液晶ディスプレー(解像度1280x1024ドット)の「NC191」と、23.6インチ(1920x1080ドット)の「NC241」(写真1)の2機種。2013年1月上旬に発売する。

 価格は未定だが、同社の既存モデルの実売価格(19インチが5万5000円前後、23.6インチが7万円前後)と同等か、やや安めに設定する予定だという。

 デスクトップ仮想化ソフトウエアとして、市場で大きなシェアを持つヴイエムウェアの「VMware View 5」(関連記事1関連記事2)を組み込んだ。データ転送方式にはPCoIP(PC over IP)を採用し、「Teradici Tera 2321」チップを搭載。CPUやハードディスク、OSなどは搭載していない。

 仮想デスクトップ端末は、セキュリティ管理や省電力性・耐災害性などに優れており、大企業を中心に導入が広がっている(関連記事)。サムスン電子ジャパンDisplay営業Groupの宮田隆部長(写真2)は「ゼロクライアントを含む『クラウドディスプレー』は、当社がパソコン用ディスプレー、業務用大型ディスプレーに続く第3の柱として育てようとしている分野。既存モデル比で画素転送速度を5倍に向上させ、従来のパソコンに比べてパフォーマンスが落ちるのではないかという懸念にも対応した」と説明する。

 データ転送方式のPCoIP(キーワード解説)とは、デスクトップ画面をアイコンやテキスト、写真、動画など12種類の要素に分類し、それぞれの特性に応じて圧縮をかけて仮想デスクトップのディスプレーへと転送するもの。ネットワーク帯域の混雑状況を自動的に判定し、空いている場合ほどきれいな画面を転送できる特性がある。「UDP」というストリーミング動画配信でよく使われるネットワーク転送方式を採用しており、混雑時でも動きがある画面をスムーズに表示しやすい。

 サムスンは仮想化ソフトウエアの分野でVMware Viewの競合に当たる仮想化ソフトウエア「Citrix XenDesktop」を搭載した製品も展開している。

[サムスン電子ジャパンの発表資料]