iPad mini Wi-Fiモデル
iPad mini Wi-Fiモデル
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 米IHS iSuppliは現地時間2012年11月5日、米Appleの7.9インチタブレット端末「iPad mini」の実機を分解して調査した原価分析結果を発表した。それによると、希望小売価格が329.00ドルのWi-Fi接続専用16Gバイトモデルは、BOM(Bill of Material:部品表)に基づく部品原価が188.00ドルで、製造コストを含めると198.00ドルになる。

 最も高い部品は「GF2」と呼ばれるタッチスクリーン技術を用いたディスプレイで、推定原価は80.00ドルと部品全体の43%を占める。サプライヤーは韓国LG Displayあるいは台湾AU Optronicsを採用しているとみられる。

 このほか、DRAMおよびNANDフラッシュメモリーを15.50ドル、バッテリーを13.50ドル、「A5」プロセッサを13.00ドル、メインカメラおよびフロントカメラを11.00ドルと推定。A5プロセッサは韓国Samsung Semiconductorが供給していると判断した。

 iPad miniは、ユーザー自身が容量を拡張することはできないため、より大きな容量が欲しい場合は32Gバイト、64Gバイトモデルを購入するしか方法がない。上位容量との価格差は100ドルだが、iSuppliによればNANDフラッシュメモリーを16Gバイト追加するコストは9.60ドル、32Gバイト追加するコストは19.20ドルだという。つまり容量が増えるほどAppleの利益は拡大し、64Gバイトモデルでは、16Gバイトモデルと比べ、Appleの利益は約171ドル増加する。

 またiSuppliは、今後投入されるLTE対応モデルについては、LTEモジュールの部品単価を約34.00ドルと見積もっている。

 小型タブレット端末の競合製品には米Amazon.comの「Kindle Fire HD」や米Googleの「Nexus 7」といった7インチ製品があるが、いずれも希望小売価格199ドルの下位機種は、利益がごくわずか、あるいはほとんどないとiSuppliは分析している(関連記事:Googleの「Nexus 7」8GBモデルは部品原価が151.75ドル---iSuppliの調査)。

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