米国の市場調査会社IDCは現地時間2012年11月5日、同年第3四半期(7~9月)の世界タブレット端末出荷台数(速報値)を公表した。それによると、出荷台数は第2四半期から6.7%増、前年同期から49.5%増の2780万台に達した。
このうち最も多かったのは米Apple。同社の出荷台数は前年同期比26.1%増の1400万台で、市場シェアは50.4%だった。ただ、非常に好調だった第2四半期に比べ、消費者、法人、教育市場のいずれにおいても出荷台数が減少し、市場シェアは前の四半期の65.5%から大きく落ち込んだ。小型モデル「iPad mini」が登場するとの観測が流れたことで、顧客が買い控えたことが要因とIDCは見ている。
AppleはすでにiPad miniと第4世代iPadを出荷していることから、第4四半期は好調に推移するとIDCは予測している。一方でiPad miniの価格が廉価版でも329ドルと比較的高めであることから、米GoogleのAndroid搭載端末が台頭できる余地が十分にあるとIDCは指摘している。
出荷台数で2位となったのは韓国Samsung Electronics。同社は前年同期比325%増、前四半期比115%増の510万台を出荷し、市場シェアは18.4%となった。IDCによるとAppleの競合メーカーの市場シェアがこの水準にまで達したのは初めて。さまざまな画面サイズや本体カラーの端末を用意したことが顧客獲得につながったという。
3位は米Amazon.comで、そのあとに台湾ASUSTeK Computer(ASUS)と中国Lenovo Group(聯想集団)が続いた。Amazonの出荷台数は250万台となり、市場シェアは前の四半期の4.8%から9%に増えた。9月半ばにKindle Fire HDの7インチモデルとオリジナルKindle Fireの新モデルの出荷を開始したことがシェア拡大につながった。
ASUSの出荷台数は240万台でシェアは8.6%とAmazonに迫った。Googleブランドの「Nexus 7」が同社の出荷増を支えた。Lenovoの出荷台数は40万台で、シェアは1.4%だった。
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