写真●米ヴイエムウェアのパット・ゲルシンガーCEO
写真●米ヴイエムウェアのパット・ゲルシンガーCEO
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 「ヴイエムウェアにとって現在の競合は米マイクロソフトや米シトリックス・システムズだが、5年後には米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米オラクルが競合となるだろう」――。米ヴイエムウェアのパット・ゲルシンガーCEO(最高経営責任者)は2012年11月5日、東京都内で記者会見を行い、データセンターに必要な全ての要素をヴイエムウェアが提供する「Software-Defined Data Center」戦略を推進することなどを語った(写真)。

 冒頭の発言は、「ヴイエムウェアにとって、現在の競合、5年後の競合はどこになるか」という質問に対して、ゲルシンガーCEOが答えたもの。現在のヴイエムウェアのビジネスは、サーバー仮想化ソフトの販売が中心で、主な競合は同社と同じようにサーバー仮想化ソフトを販売するマイクロソフトやシトリックスになる。

 しかしヴイエムウェアは現在、カバー領域をサーバー仮想化以外にも広げている。具体的には、同社製のミドルウエア群である「vFabric」や、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を実現する「Cloud Foundry」、ストレージ管理ソフトや、ネットワーク仮想化ソフトなどである。そのためゲルシンガーCEOは、包括的なクラウドサービスを提供するAWSや、ハード、ソフト、クラウドの提供を進めているオラクルなどを、ヴイエムウェアの「5年後の競合」として挙げた。

 特にAWSに関しては、「クラウドコンピューティングの分野で、破壊的なイノベーションを実現しようとしているプレイヤー」(ゲルシンガーCEO)として認識している。ゲルシンガーCEOは、「AWSはパブリッククラウドの領域で成功しているが、エンタープライズ分野での成功はまだだ。ヴイエムウェアは、日立製作所をはじめとするエンタープライズ領域に強いパートナーと提携し、プライベートクラウドとパブリッククラウドを連携する『ハイブリッドクラウド』で対抗する」と強調した。