写真●バイナリー発電の機構を実演
写真●バイナリー発電の機構を実演
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 JFEエンジニアリングは2012年11月1日、パシフィコ横浜で開催中の「Smart City Week 2012」において、地熱発電の方式の一つで低沸点の媒体を気化させてタービンを回す「バイナリー発電」の機構を実演している(写真)。デモでは、沸点が約36度と低いノルマルペンタン(化学式C5H12)を、真空に近い低圧で利用している。

 温泉地などで利用される地熱発電は一般に、フラッシュ方式とバイナリー方式の2種類のやり方がある。フラッシュ方式は地熱流体が概ね200度以上の場合に適し、水の蒸気を直接使ってタービンを回す。一方、バイナリー発電は地熱流体が概ね100度以上の場合に適し、水よりも沸点が低い媒体を気化させてタービンを回す。水蒸気などを外界に放出しない代わりに、媒体を冷却して凝縮する必要がある。

 デモでは、ノルマルペンタンを沸騰させて気化する装置と、気化された媒体によって回転するタービン、気化された媒体を凝縮する装置、---からなる機構を展示し、実際に作動させてみせた。実際にバイナリー発電設備を設置するのにかかる費用は、「温泉の温度が120度あれば3年間で投資を回収できる程度になる」(説明員)としている。米オーマットのバイナリー発電設備を利用する。