写真●Wyse P25(写真右)とWyse P45(写真左)の外観
写真●Wyse P25(写真右)とWyse P45(写真左)の外観
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 ワイズテクノロジーは2012年10月31日、ヴイエムウェアのVDI(デスクトップ仮想化)ソフト「VMware View」を使うための専用チップセットを搭載したシンクライアント端末の新モデル「Wyse P25」「Wyse P45」(写真)を発表、同日販売を開始した。価格はオープンだが、エントリーモデルのWyse P25で3万円台(編集部調べ)である。開発会社は、米Wyse Technology。

 VMware View専用のシンクライアント端末である。VMware Viewが採用している画面情報端末プロトコル「PCoIP」(PC over IP)をハードウエア処理する専用チップセット「Teradici TERA2」を搭載している。汎用CPUや汎用OSを用いたパソコンベースの端末とは異なり、専用のチップセットとすることで、ソフトウエアのアップグレードといったメンテナンス作業を廃している(記憶媒体であるハードディスクも備えない)。

 PCoIPプロトコルとは、ネットワーク帯域や遅延に応じて動画の解像度を落とすなど、ユーザーの体感上の画面操作性やレスポンスを高めた画面情報端末プロトコルである。同プロトコルとPCoIP処理チップセットは、ともにカナダのTeradiciが開発したもの。Teradiciでは、PCoIP処理チップセットを搭載したシンクライアント端末のことをゼロクライアントと呼んで差別化しており、シンクライアント端末を扱う各社がゼロクライアントを製品化している。

 今回ワイズテクノロジーが発表したWyse P25/Wyse P45は、同社のPCoIP処理チップセット搭載機としては、既存モデル「Wyse P20」の後継に当たる。Wyse P20は前世代のPCoIP処理チップセット「Teradici TERA1」(TERA1100P)を搭載していたが、今回の新モデルでは新世代のチップセットであるTeradici TERA2(Wyse P25はTeradici 2321、Wyse P45はTeradici 2140)を採用している。TERA2では、1秒当たりのピクセル描画数が5倍に向上したとしている。

 Wyse P25とWyse P45の主な仕様は、以下の通り。Wyse P25はデュアルディスプレイ(2台)仕様のメインストリームモデルである。同こんのVESAマウントブラケットを使えば、各種ディスプレイの背面に設置できる。一方、Wyse P45はクアッドディスプレイ(4台)仕様のハイエンドモデルである。デスクトップに設置して利用する。