写真●VeronaのVPNクライアントソフト「V-Client」の英語版
写真●VeronaのVPNクライアントソフト「V-Client」の英語版
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 網屋は2012年10月31日、拠点ごとに専用のルーター機器をレンタル設置して利用するインターネットVPNサービス「Verona」のVPNクライアントソフトに英語版(写真)を追加したと発表した。Windows/Mac OS/iOS/Androidの日本語版に加えて、新たにWindows/Mac OSの英語版を追加した。これにより、英語OSがインストールされた海外のパソコンから社内にVPNアクセスできるようになった。

 前提となるVeronaとは、中小規模の企業に適したインターネットVPNサービスである。拠点間を接続する使い方と、VPNクライアントソフトから拠点にアクセスする使い方のいずれも可能である。最大の特徴は、グローバルアドレスが固定IPではない拠点に対してもVPNアクセスできる点と、VPN接続先の拠点が同一のIPアドレス体系(例えば「192.168.1.0/24」)を採用していても利用できる点である。

専用ルーターをレンタル利用、中小拠点のVPN接続に適する

 Veronaを利用するためには、専用のルーター機器「V-edge」を網屋からレンタルする必要がある。このルーター機器を、DMZ(非武装地帯)などの、インターネットからアクセス可能な場所に設置する。V-edgeはPPPoE接続機能も備えているので、既存のエッジルーター(インターネット接続プロバイダーにPPPoE接続しているルーター)と置き換えて運用することもできる。

 V-edge同士が拠点間で通信し合うために必要となる情報を個々のV-edgeに対して教える役割を担うのが、Veronaのクラウドサービスである。最初にV-edgeはVeronaにアクセスし、自身に割り振られた動的IPアドレスや機器情報、社内のIPアドレスといった情報を報告する。さらに、他の拠点のV-edgeの情報をVeronaから取得する。これにより、固定IPアドレスを必要とせずに、拠点間でVPNのトンネルを張ることができる。

 独自のNAT(アドレス変換)の仕組みを備えるため、拠点のプライベートアドレスが重複していても利用できる。例えば、東京拠点の192.168.1.0/24のネットワークにある192.168.1.20のパソコンから、大阪拠点の192.168.1.0/24のネットワークにある192.168.1.20のサーバーにアクセスできる。この場合、ユーザーやアプリケーションが東京から大阪にアクセスする際には、IPアドレスとして仮想IPアドレス(192.168.2.20など)を指定する形になる。

VPNクライアントに英語OS向けのバージョンを追加

 V-edge同士の拠点間接続とは別に、VPNクライアントソフト「V-Client」も用意している。V-Clientをインストールしたパソコン(Windows、Mac OS)やスマートデバイス(iOS、Android)は、Veronaのクラウドサービスから拠点のV-edgeのIPアドレスを教えてもらい、これに対してアクセスし、VPNトンネルを張る。

 今回、これまでの日本語版のV-Clientに加えて、稼働環境がパソコン(Windows、MacOS)に限定されるものの、英語版のV-Clientを用意した。英語版のOS環境で問題なく動作するため、海外出張時などで現地のパソコンしか使えないケースでも、社内LANにVPNアクセスできる。

 価格(税込み)は、以下の通り。拠点に設置するV-edgeのレンタル料金は、1拠点当たり月額2万1000円(別途、初期登録料が必要。インターネット接続料金は別途必要)。V-Clientは、1ライセンス当たり月額630円で、V-edgeの契約1台当たりV-Clientのライセンスが10ライセンス分、無償で付属する。