大学生が身の回りの商品や企業が抱える課題を想定し、スマートフォンを使った解決方法を提案する――。そんなコンテスト、第4回「試す」applimの決勝プレゼンが2012年10月27日に行われた。

 applimはソーシャルメディアやスマートフォンを活用したマーケティングプランを立案するコンテストを実施している学生団体。2010年からコンテストを開催しており、今回が台4回となる。今回のコンテストに参加したチームは160、学生数にして650人に上る。そのうち6チームが決勝プレゼンに臨み、最優秀賞はチーム「ネオアルス」が獲得した(写真1)。

写真1●最優秀賞を受賞したネオアルス
写真1●最優秀賞を受賞したネオアルス
[画像のクリックで拡大表示]

 同チームが着目したのは、親子での来店数とリピート率を上げたい大手ハンバーガーショップと、小さな子供を持つ親である。子どもの自然な笑顔を撮りたい親の要求に、大手ハンバーガーショップが提供するAR(拡張現実感)アプリ「My Angel」がこたえる、というのが企画の基本コンセプトだ。具体的には、ハンバーガーセットにARアプリが起動しているスマートフォンをかざすと、画面上でキャラクターなどが動き出す。それを見て喜ぶ子どもの笑顔をスマートフォンのインカメラで撮影するというものである。ハンバーガーショップの日ごろからのマーケティング活動の方向性に合致する発案ということで、審査員のほとんどが推挙したという。

 このほか、最優秀賞に準ずる優秀賞が急きょ設定され、「さのうのう」と「66(ロクロク)」の2チームが獲得した。

 さのうのうのアイデアは、回転寿司チェーン店を対象とした親子の交流支援アプリである。子どもがスマートフォンを持ってお寿司を握る動作をすることで注文が入り、「子どもが握ったお寿司を親が食べる」という体験を提供する。握ったときの動作を基にした採点結果が座席上の画面に表示される、座席上の画面を通じて魚の豆知識が得られるなど、先に食事を終えた子どもが飽きない工夫を用意した。

 66のアイデアは「doll talk」。スマートフォンの上にぬいぐるみを置くことで、お気に入りのぬいぐるみとの対話を楽しめるという内容である。対話の相手は実は両親で、スマートフォンの通話機能を利用することで、あたかもぬいぐるみと話すようにみせかける。音声エフェクト機能を利用することで、子どもには分からないように親の声を変換し、近接センサーを使うことでぬいぐるみを置いたときだけ話ができるようにする。特定の玩具メーカーを対象にしたというよりは、業界全体の活性化を狙ったアプリ、ということになる。

 最終選考まで残ったものの受賞を逃した3チームのアイデアには、チームステファンによる、大手コンビニエンスストア向けのジョガーを顧客として取り込むためのアプリ、低田馬場(UnderBaver)によるアイスクリームチェーン店向けの冬季の顧客開拓アプリ「冬の雪だるま大作戦!」、JULIGHTによる牛丼チェーン店向けの集客支援アプリ「つゆだ区民マラソン」があった。