図●WindowsバージョンアップのタイミングにおけるDRAM出荷ビット数の成長率(出典:米IHS iSuppli)
図●WindowsバージョンアップのタイミングにおけるDRAM出荷ビット数の成長率(出典:米IHS iSuppli)
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 米IHS iSuppliは現地時間2012年10月26日、世界のDRAM市場に関する調査結果を発表した。それによると、パソコンとスマートフォンおよびタブレット端末向けを含むDRAMの2012年第4四半期における出荷量(ビット換算)は、前の四半期と比べ8%増にとどまる見通し。米Microsoftの最新OS「Windows 8」による同市場の成長促進効果は期待できないとIHS iSuppliは見ている。

 IHS iSuppliはその要因の1つとして、Windows 8のハードウエア要件が前バージョン「Windows 7」とほぼ変わらない点を挙げている。従来、Microsoftの新OSリリースではより高度なシステム構成が要求され、それが四半期ベースのDRAM出荷量の2ケタ成長を生み出していた。しかしWindows 7以降続いているスリム化の傾向から、Windows 8ではDRAM容量を拡張する必要がない。

 例えば「Windows 98」リリース後の1998年第3四半期におけるDRAM出荷量は前期比40%増加した()。「Windows 2000」が登場した2000年第1四半期は同49%増、「Windows XP」が登場した2001年第3四半期は同41%増だった。しかしWindows 7リリース時の2009年第4四半期は18%増に減速した。

 IHS iSuppliは、もはやDRAM市場にとってパソコンは従来ほどの重要性は持たなくなると指摘する。DRAM市場におけるパソコンのシェアは2012年前半に50%を下回っており、一方スマートフォンやタブレット端末のシェアが拡大しつつある。

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