写真1●AppCon EAST Japanの最終審査会兼表彰式
写真1●AppCon EAST Japanの最終審査会兼表彰式
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 「旅&お出かけ」をテーマにしたスマートフォンアプリのコンテスト「AppCon EAST Japan」の最終審査会兼表彰式が2012年10月27日、仙台で開催された(写真1)。最優秀作品として、アプリ部門はSRIA Projects.の「ハイ、チーズ」、アイデア部門はマインドフリーの「トリップる」、アイコンデザイン部門は「私を探さないで」が選ばれた。

スマホで震災後の東北に仕事を作る

 主催したのは、東北地方を拠点にスマートフォンによる産業振興と雇用拡大を目指す団体「Fandroid EAST Japan」。Fandroid EAST Japanは2011年、震災後のIT産業の需要減に危機感を持った仙台のクリエーターらが、カヤックが仙台に作った「旅する支社」とともに設立。勉強会や人材育成などの活動を行なっている(ITの力を復興に - 「Androidで東北に仕事を作る」---Fandroid EAST Japan)。

 「クリエイターに仕事を、それがひいては東北の復興につながるとの思いで活動してきた。3年間で100人のAndroid開発者、100本のアプリを生み出すことを目標にしてきたが、すでに数十本のアプリが生まれている」(Fandroid EAST Japan 原亮氏)。仙台だけでなく宮城、青森、岐阜県大垣市、シリコンバレーに支部が設立され、AppCon最終審査会兼表彰式の前日である10月26日には秋田支部発足のイベントが約100人を集めて開催されるなど、地域の枠を超えて活動を広げている。

 AppCon EAST Japanにはアプリ、アイデア、デザインあわせて200以上のエントリーがあった。審査員は慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授 夏野剛氏、面白法人カヤック 代表取締役 柳澤大輔氏、東北大学大学院工学研究科都市建築学専攻都市・建築デザイン学講座准教授 せんだいスクール・オブ・デザイン 校長 本江正茂氏、宮城県産業技術総合センター所長 伊藤努氏が務めた。

笑顔で写真を撮るアプリ「ハイ、チーズ」

写真2●アプリ部門の最優秀賞を受賞したSRIA Projects.の「ハイ、チーズ」
写真2●アプリ部門の最優秀賞を受賞したSRIA Projects.の「ハイ、チーズ」
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 アプリ部門の最終ノミネート作品は3件。最優秀賞を受賞したSRIA Projects.の「ハイ、チーズ」は、写真を撮影する際に「はい、チーズ」などの声がスマートフォンから再生されるアプリ。「『チーズ』と言うのは照れくさい人のかわりに声をかけてくれ、笑顔の写真が撮れる」(SRIA Projects. 辺見直哉氏、写真2)。笑顔になるタイミングに合うよう、掛け声から一瞬間をおいてシャッターを切る。「はい、チーズ」だけでなく「1+1は?」、「Say Cheez!」など数種類の掛け声を用意した。すでにGoogle Playで公開している。

 アンデックスの「マプコミ」は、仙台の観光と街歩き情報のアプリ(写真3)。「震災時の経験から、旅行者が災害に遭遇した際に役立つよう避難所などの情報も掲載した」(アンデックス)。Steedの「MyBikeCollection」は、ユーザーが作るソーシャルバイクカタログアプリ(写真4)。「自分の、あるいは見かけたバイクの写真やスペックを登録して共有できる」(Steed)。

写真3●アンデックスの「マプコミ」
写真3●アンデックスの「マプコミ」
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写真4●Steedの「MyBikeCollection」
写真4●Steedの「MyBikeCollection」
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