NTTドコモは2012年10月26日、日本のスタートアップ企業やベンチャー企業の育成と投資を目的とする取り組みを2012年度中に開始すると発表した。スマートフォン向けの新たなサービスを創造することを目的とする。

 具体的な取り組みとしては二つある。まず一つは、起業家を支援するインキュベーション事業として「ドコモ・イノベーションビレッジ」と呼ぶプログラムを開始する。オフィススペースなどの開発環境を提供するほか、経営、法務、財務などのアドバイスを通じて、スタートアップ企業を支援する。1プログラムあたり4~5チームを審査によって選出し、3~4カ月間の期間をかけて支援する。

 もう一つは、「ドコモ・イノベーションファンド」と呼ぶベンチャー・ファンドの設立である。イノベーションビレッジ発のスタートアップ企業や有望なサービス、技術を持つベンチャー企業に対して出資する。2012年度中にNTTドコモがファンド運営子会社を設立する。100億円規模で運用期間は10年間とする予定である。

 同日に開いた第2四半期決算説明会でNTTドコモの加藤薫代表取締役社長は、「我々が公開しているAPIをはじめ、いろんな場をオープンにして技術的な支援をやっていきたい。いいものが起業できればそれに出資する。それだけでなく、その成果はNTTドコモの新領域のサービスに取り込みたい」と期待を述べた。

 NTTドコモは、新たに開発を進めたい事業領域として(1)メディア・コンテンツ事業、(2)金融・決済事業、(3)コマース事業、(4)メディカル・ヘルスケア事業、(5)M2M事業、(6)アグリゲーション・プラットフォーム事業、(7)環境・エコロジー事業、(8)安心・安全事業--の8分野を挙げている。

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