写真1●米ツイッター オープンソースマネージャー Chris Aniszczyk氏
写真1●米ツイッター オープンソースマネージャー Chris Aniszczyk氏
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写真2●Twitterを構成しているOSS
写真2●Twitterを構成しているOSS
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写真3●米シティグループ Linuxエンジニアリング担当 VP Bob Mader氏
写真3●米シティグループ Linuxエンジニアリング担当 VP Bob Mader氏
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 「Twitterはすべてオープンソースソフトウエア(OSS)でできている」---米ツイッターのオープンソースマネジャー Chris Aniszczyk氏(写真1)は2012年10月26日、東京で開催されたイベント「Enterprise User's Meeting 2012」で同社のOSS利用状況を解説した。

 Enterprise User's Meetingは、Linuxの普及推進を目的とする非営利組織The Linux Foundationが開催したイベント。The Linux FoundationはLinuxの作者であるLinus Torvalds氏がフェローとして在籍している。

 Twitterには全世界から1週間に28億件のつぶやきが投稿されている。毎秒平均5000件。米国のアメリカンフットボールの決勝であるスーパーボウルの際には秒間1万2223件、日本で「天空の城ラピュタ」がテレビ放映された際には秒間2万5088件という膨大なつぶやきが投稿された。

 この巨大なデータを処理しているのは「すべてOSS」(Aniszczyk氏)という。Linux、MySQL、Hadoop、Cassandra、Jenkins、Drupal、OpenJDKなどさまざまなOSSを利用している(写真2)。フロントエンドは当初Rubyだったが、最近さらに性能を追求するため関数型言語のScalaを採用した。Rubyは現在でも社内で利用しているという。

 利用するだけでなく、CSSフレームワークのBlueprint、ユーザーインタフェースフレームワークのBootstrapなど、同社が開発したソフトウエアをOSSとして公開している。ソフト開発プロジェクトをホスティングしているサイトGitHubのTwitterのページには80以上のプロジェクトがある。

米シティグループ幹部「ユーザー企業もコミュニティーに」

 米シティグループ Linuxエンジニアリング担当 VP Bob Mader氏(写真3)は「オープン ソース エンタープライズの実現」と題し講演。「ユーザー企業もコミュニティーに参加しよう」と呼びかけた。シティグループでは「膨大な数のLinuxサーバーを利用している」(Mader氏)。

 利用するだけでなく、コミュニティーに参加しようとMader氏は言う。シティグループはThe Linux FoundationのEnd User Councilのメンバーとなっている。

 「我々はベンダーではなく銀行だ。しかし、コミュニティーに参加することで、OSSがどう作られ、ユーザーに届けられているているのかという“サプライチェーン”をより理解でき、OSSを利用するメリットを拡大できる」と語った。