データコア・ソフトウェアは2012年10月25日、ストレージ仮想化ソフト「SANsymphony-V」(関連記事)の廉価版ライセンスとして、稼働環境を仮想サーバー環境に限定した「SANsymphony-V 仮想サーバ専用ライセンス」を発表した。SANsymphony-Vの販売代理店の1社であるソフトバンクBBが、「SAN symphony-V Essentials」の名称で独占販売する。SANsymphony-Vの開発会社は米DataCore Software。

 ライセンス上の制約として、稼働環境を仮想サーバー上に限定した、中小規模向けの廉価版ライセンスである。既存ライセンスの機能(標準機能とオプション機能)はそのままに、制約条件を課したことによって、提供価格を下げた。実効容量に応じて、2Tバイト、4Tバイト、8Tバイトの3種類のライセンスを用意している(いずれもHA構成のための物理サーバー2台分のライセンスを含む)。仮想サーバー環境で利用する場合、ライセンス費用は1/2~1/4で済む。

仮想サーバー限定ならライセンス価格は1/2~1/4以下に

 データコア・ソフトウェアとソフトバンクBBによると、価格比較(税別)の具体例は、以下の通り。実効容量2Tバイト(HA構成なので2Tバイト×2)の場合、Essentialsのライセンスは40万円(サポート費用は12万円)。これに対して、既存ライセンスはモデル「vL1」(2台で最大5Tバイトまでのライセンス、1台当たり1Tバイト分のライセンスが付属)が、43万2000円(2台で86万4000円)。これに容量追加ライセンス(1Tバイト当たり9万6000円)を2Tバイト分追加すると、合計で105万6000円になる。

 このように、従来であれば105万6000円かかっていたライセンスが40万円で済む。同様に、実効容量4Tバイト(HA構成の2台合計で8Tバイト)の場合は、従来214万4000円かかっていたライセンス(最大16Tバイトまでのモデル「vL2」がベース)が、50万円で済む。実効容量8Tバイト(HA構成2台合計で16Tバイト)の場合は、従来252万8000円かかっていたライセンス(モデル「vL2」がベース)が、66万円で済む。

機能制限は無く、共有ディスクを使わないライブマイグレーションも可

 なお、諸機能は、既存ライセンスと同じである。同ソフトウエアをインストールしたWindows Server機が、SANストレージ(iSCSI/Fibre Channel)になる。仮想サーバー環境においては、サーバー仮想化ソフト(VMware ESXやWindows Server Hyper-V)で実現した仮想サーバー機の上に、OSであるWindows Serverをインストールし、さらに同ソフトウエアをインストールして使う。

 SANsymphony-Vを導入したSANストレージは、個々の仮想サーバーから見て外部接続のSANストレージとして機能する。ここで、SANsymphony-Vの標準機能として、異なるサーバー上で動作するSANsymphony-V同士でデータを同期ミラーリングできる。複数のサーバー仮想化ソフトが同一のデータにアクセスできるので、共有ストレージを別途用意することなく、仮想サーバーのライブマイグレーションが可能である。