図●世界のタブレット端末売り上げ台数予測(IHS iSuppliの発表資料より引用)
図●世界のタブレット端末売り上げ台数予測(IHS iSuppliの発表資料より引用)
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 米IHS iSuppliは現地時間2012年10月23日、米Appleがまもなく発売する「iPad mini」によって、7インチ台(7.x)タブレット端末の市場拡大が加速されるという予測を発表した。2011年における7.x型タブレットの出荷台数は1700万台だったが、2012年は前年比2倍の3400万台になり、2013年には同97%増の6700万台に達すると予測している()。

 また、2011年に24%だった7.x型の全タブレット端末に占める割合は、2012年に28%となり、2013年には33%にまで上昇するとも予測している。同社のタブレット/モニター調査部門ディレクターのRhoda Alexander氏は、「7.x型タブレットの市場はすでに価格競争力を持つ製品が多数ある。しかしアジア市場を中心に小型端末の需要は根強く、Appleはこれまで同様に7.xインチ型でも市場を支配しそうだ」と述べている。

 ただ、同氏によるとIHS iSuppliの今回の推計はあくまでも控えめな数値。部品メーカーの報告では、Appleは部品の調達面で問題を抱えているもようで、iPhone 5やiPad mini、第4世代iPadで新たに採用した小型コネクター「Lightning」とディスプレイ部品の供給が需要に追いつかない可能性があるという(関連記事:Apple、期待の「iPad mini」を発表、米国や日本などで11月2日発売)。

 Alexander氏は、「もしAppleがこうした問題を迅速に解決できれば、2013年の出荷台数は今回の予測値を大幅に上回るはずだ」と述べている。
 
 また、同氏はiPad miniの登場によって、米Googleの「Android」を採用するライバルメーカーが苦戦を強いられるとも指摘している。これまでiPadとの差異化を図るため7インチ型を手がけてきたメーカー各社は、さらに新たな分野を求めて8.xインチ超に注目するようになる。一方で、米MicrosoftのWindows RTなどWindows 8を搭載するタブレットでは、主に10インチ以上が重視されると同氏は見ている。

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