米アップルは2012年10月23日(現地時間)の新製品発表会(関連記事)の場で、新型MacやiPadと同時に、iPad/iPhone/iPod touchで動作するiOS用電子書籍アプリ「iBooks」の新版(写真1)を発表した。iBooks用の電子書籍を作成するMac用アプリケーションソフト「iBooks Author」も発表。いずれも日本時間24日夕方時点で、日本国内で無償ダウンロードできるようになっている。
日本のユーザーにとっての大きな特徴は、両ソフトがサポートする言語が40言語に増え、日本語や中国語、韓国語などアジア言語の書籍を表示・制作する機能が強化されたことだ。左開き・縦書きの書籍や、振り仮名付きの本文など、日本独自の書籍形式をスムーズに再現できる(写真2)。
アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)の説明によれば、アップルが運営する電子書籍ストア「iBookstore」上ではこれまでに150万タイトルの電子書籍をそろえており、4億件のダウンロードがあったという。
ただし、これらは欧米言語の電子書籍が中心で、日本語の電子書籍はほとんど出回っていない。日本におけるiBookstoreの運用形態は未定。欧米では、iBooks Authorなどで制作した電子書籍データを、アップルや「アグリゲーター」と呼ばれる業者を提出し、審査の後にiBookstoreに掲載される。電子書籍の著作者は手数料を引いた残りを代金として受け取る仕組みになっている。
日本の電子書籍市場では、「楽天kobo(コボ)」(関連記事)などが先行。アマゾンジャパンは10月24日に電子書籍リーダー「Kindle(キンドル)」の最新モデルを発表し、日本語書籍5万タイトル超でスタートする(関連記事)。欧米の電子書籍市場では既に一定のシェアを得ているアップルだが、日本ではほぼゼロから先行企業を追走する立場になる。
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