丸の内ダイレクトアクセスは2012年11月1日に、大手町地区のビルの地下に「大手町データセンター」を新規開業する。データセンターの床面積は約3800平方メートルであり、収容可能なラック数は約500台規模となる。「大手町という一等地にこの規模のデータセンターの新規開業は珍しいのではないか」と、同社の川本圭一営業部長は話す。既にデータセンター内の約1割のスペースが契約完了済み。予約を含むと約3割が埋まっているという。

写真1●丸の内ダイレクトアクセスが11月1日に開設する大手町データセンター
写真1●丸の内ダイレクトアクセスが11月1日に開設する大手町データセンター
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 丸の内ダイレクトアクセスは、三菱地所と丸紅の合弁会社。大手町・丸の内・有楽町エリアの三菱地所を中心とした約70のオフィスビルを結ぶ独自のファイバー網を構築しており、その結節点に「丸の内データセンター」を開設している。今回開業する大手町データセンターは、同社にとって2カ所めのデータセンターとなる。同社のデータセンターの特徴は、NTTやKDDIなど特定の通信事業者に偏らず、10社以上の通信事業者が乗り入れている点。さらに複数のIX(インターネット・エクスチェンジ)と直接接続している点も特徴という。

 今回、関係者向けに、開業前の大手町データセンターの内部を公開した(写真1)。データセンターのフロアーへは専用のエレベーターを使って降りる。専用エレベーター、センターへの入室、サーバールームへの入室など、各所で認証を経た上でサーバーラックにアクセスする。認証手段は、指静脈認証と非接触ICカードを組み合わせている(写真2)。サーバールームへの入室は、共連れを防止するために1人ずつしか通過できないローターゲートを採用した(写真3)。

写真2● 指静脈認証と非接触ICカードを組み合わせて認証
写真2● 指静脈認証と非接触ICカードを組み合わせて認証
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写真3●共連れを防止するため1人ずつしか通過できないローターゲート
写真3●共連れを防止するため1人ずつしか通過できないローターゲート
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写真4●電源喪失時の非常用自家発電装置
写真4●電源喪失時の非常用自家発電装置
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 サーバールームは、天井まで約6メートルと高く空調の面でも有利という。電源系はUPS(無停電電源装置)を5台+予備機1台の冗長構成で用意。さらに非常用の自家発電装置として、ガスタービン発電機を1台+予備機1台も備えた(写真4)。このガスタービン発電機は1台当たり4500kボルトアンペアの発電が可能。データセンター全体の電力を72時間分供給するための非常用オイルも常備しているという。

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