写真●レッドハット ジム・ホワイトハースト社長兼CEO
写真●レッドハット ジム・ホワイトハースト社長兼CEO
[画像のクリックで拡大表示]

 米レッドハットのジム・ホワイトハースト社長兼CEO(最高経営責任者)は2012年10月23日、東京都内で記者会見を行い、同社のクラウド戦略などについて説明した。ホワイトハーストCEOは「開発者が、どのクラウドでも同じ手法を使って、アプリケーションを開発・運用できるようにすること」が同社の基本戦略だと語り、独自のクラウドサービスを提供する計画はないと明言した。

 レッドハットは、サーバー仮想化の「Red Hat Enterprise Virtualization」、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)構築ソフトの「CloudForms」や「OpenStack」、分散ストレージソフトの「Red Hat Storage」など、クラウドを実現するためのソフトのサブスクリプション販売をしているが、自社によるクラウドサービスは提供していない。「OpenShift」はPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)だが、「Amazon Web Services(AWS)」上でサービスを提供しており、レッドハットが提供しているのはソフトウエアである。

 レッドハットが自社によるクラウドサービスを提供しないのは、クラウドサービス事業者が、レッドハットにとって大口顧客になっているからだという。レッドハット日本法人の廣川裕司社長は、「当社の大口顧客はこれまで、金融機関や通信事業者が中心だったが、最近はクラウドサービス事業者の顧客も増えている。当社としては、顧客と競合するような計画はない」と説明する。

 レッドハットとして注力するのは、複数のクラウドサービス事業者に、レッドハットのクラウド構築ソフトを採用してもらうことだ。例えば、OpenShiftはソフトウエアをオンプレミスで運用することが可能であり、「顧客はオンプレミス環境のOpenShift上に構築したアプリケーションを、AWS上でも稼働することができる」(ホワイトハーストCEO)。レッドハットは、同社のミドルウエアやクラウド構築ソフトが稼働できるクラウドサービスを認定し、それをユーザー向けに公表するといったことも行っている。