写真●2013年度の事業戦略について説明するシスコの平井社長
写真●2013年度の事業戦略について説明するシスコの平井社長
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 シスコシステムズは2012年10月23日、戦略説明会を開催し、インターネット活用の新たな研究開発組織を日本に開設すると発表した。平井康文社長は「世界にあるインターネットに接続できる“モノ”はまだ1%しかつながっていない。残りがつながるための課題を日本が先導して解決していく」と狙いを説明した(写真)。

 2012年11月に、日本オフィス内に「Internet of Things(IoT)インキュベーションラボ」を開設。テクニカルアドバイザーとして米本社フェローのジェーピー・ヴァサール氏を迎え、10人体制で運営を始める。

 IoTインキュベーションラボでは、M2M(マシン・ツー・マシン)やセンサーネットワークなど、今後のインフラに必要なインターネットのアーキテクチャーを開発していく。

 同ラボの責任者である木下剛専務執行役員は「IoTではこれまでとは異なるアーキテクチャーや考え方が求められる。パートナーや教育・研究機関とともに解決していく」と強調した。具体的には、インターネットではルーターが経路を常に確保して通信を保つが、「IoTでは、センサーなど常に接続状態を保つ必要がないデバイスなどを管理する必要がある」(木下専務)。

 平井社長は2013年度(12年8月~13年7月期)の事業目標のメッセージに「社徳」を掲げた。顧客やパートナーとの強固な関係構築、事業を生かした社会貢献、社員のワークスタイル変革の三つを推進していくという。事業面では、日本でコンサルティングなどの上流ビジネスを強化しており「体制を整えているところ」(平井社長)という。