写真1●米Teradata 社長兼CEOのマイク・コーラー氏
写真1●米Teradata 社長兼CEOのマイク・コーラー氏
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 米Teradataは2012年10月21~25日(現地時間)、米国ワシントンD.C.市内のホテルにてデータウエアハウス(DWH)に関するカンファレンス「Teradata PARTNERS Conference & Expo 2012」(以下、PARTNERS)を開催している(関連記事)。22日の午前中に行われた基調講演では、Teradata社長兼CEOのマイク・コーラー氏をはじめとする同社幹部が登壇、ビッグデータからより多くの価値を引き出すための統合的なソリューションをアピールした。

 今回のPARTNERSの運営組織を率いる米小売企業、Winn-Dixie Storesのマテュー・レニー氏の紹介でマイク・コーラー氏が登壇(写真1)。コーラー氏はまず、米NCRから独立したこの5年間でTeradataの業績が順調に推移して成長していることに触れた。「5年前は6000人足らずの従業員数だったが、数週間前に1万人を超えた」という。

 また、研究開発に対する投資に加え、買収によって得た技術が顧客に新たな利益をもたらすとし、2011年に買収した米Aster Data Systemsや米Aprimo、そして2012年5月に買収した独eCircleに言及した。

 続いてコーラー氏は、ここ数年の取り組みとして、ビッグデータからいかに価値を引き出すかに注力してきたことを強調した。同氏はビッグデータを「新たなデータソースを含む様々なチャネルから収集された、新しいデータ構造を持つ膨大なデータ」と定義し、このビッグデータこそが「企業にとって新たな価値をもたらす機会を提供する」と説明した。その定義に基づきコーラー氏は、多くの企業でビッグデータを収集して分析する体制が確立していないと指摘。「多くの企業は、内部に散在する様々な情報を有効活用できていない」という。

 コーラー氏は、一部の先進企業だけが必要なデータのありかをきちんと把握し、それがビジネスにおいてどのような価値を持つのかを理解していると述べた。同氏によれば、Teradataの顧客企業の34社がペタバイト以上のデータを扱っているという。「こうした先進企業は、ソーシャル、モバイル センサーなどを活用してデータを収集し、PATHやPattern、Graph分析により、新たな洞察を得ている」。さらに新しい分析手法は従来の基幹系データにも適用され、ここでも新たな洞察が得られているとした。

 コーラー氏はこうした膨大なデータをコスト効率良く分析・活用する上でApache Hadoopの有用性を述べつつ、プログラミングなど分析作業の難しさが導入時の障害になっており、「これを解消できるのがデータ分析ソフトウエアのAsterである」とした。Asterはリレーショナル・データベースとMapReduce技術を統合した並列処理型のソフトウエアであり、SQLを利用できるのが特徴だ。