図●スマートフォンユーザーの約75パーセントが現状では公衆無線LANサービスを利用していない
図●スマートフォンユーザーの約75パーセントが現状では公衆無線LANサービスを利用していない
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 調査会社のICT総研は2012年10月22日、国内の公衆無線LANサービス市場に関する調査結果「公衆無線LANサービス利用者予測調査」を報告した。インターネットユーザー2万1724人(最大有効回答数)から得たWebアンケートの回答結果に加えて、公衆無線LANサービス事業者および関連企業への取材を基に報告書を作成したという。

 報告書ではまず、公衆無線LANサービスのユーザー数が年々増え続けている現状を紹介する。2011年度末には国内ユーザー数が808万人(うちビジネス利用者は133万人)だったのに対して、2012年度末には58パーセント増となる1274万人(同202万人)に急増すると予測。さらに、2015年度末には2011年度末の約3倍にあたる「2568万人」に拡大するとした。

 ただし、現状では公衆無線LANサービスの主なターゲットであるスマートフォンユーザーがサービスを利用している割合はかなり低いという。「あなたはスマートフォンを利用していますか?」および「公衆無線LANサービスを利用していますか」という二つの質問に対するクロス集計をとったところ、約75パーセントのスマートフォン利用者が利用していないという結果になった()。

 ICT総研ではこの結果について「現状ではスマートフォンユーザーは必ずしも公衆無線LANの利便性を求めていない」とし、その理由として「バッテリーが減少することへの懸念」「電波の切り替え設定を面倒に感じること」を挙げた。この結果を基に同社では、通信事業者に対して「公衆無線LANを使ってスマートフォン向けにデータオフロードを進めるには、さらに使いやすいサービスとして認識してもらうことが必要」と提言している。

 調査では、公衆無線LANサービスの利用者満足度などについても調べている。3371件の有効回答(重複利用を含む)を基にした満足度のランキングは、au(KDDI)の「au Wi-Fi SPOT」とソフトバンクモバイルの「ソフトバンクWi-Fiスポット」が同率(満足度ポイント62.0)で首位、続く第3位がUQコミュニケーションズの「UQ Wi-Fi」(60.7ポイント)となっている。

 以下、ランキング第4位はケイ・オプティコムの「eoモバイル Wi-Fiスポット」(58.8ポイント)、第5位がNTTコミュニケーションズの「ホットスポット」(58.4ポイント)、第6位がNTTドコモの「docomo Wi-Fi」(57.2ポイント)、第7位がNTT東西地域会社の「フレッツ・スポット」(57.1ポイント)と続いている。