オムロン ソフトウェアは2012年10月22日、主にメモリー容量が少ない組み込み機器向けに、使用メモリー量を従来よりも大幅に減らせる新しい文字入力システム「compact Wnn」(こんぱくと うんぬ)を開発したことを発表した。対応プラットフォームは、ITRONやLinux、組み込み向けWindows、Androidなど。

 フラッシュメモリーなどの2次メモリー上に配置した辞書バイナリー(ファイル)を、必要に応じて部分的にメインメモリー(RAM)上に展開する仕組みを採用。この工夫により、辞書データ用に確保すべきRAM容量を「1M~2.5Mバイト」と従来比で40~70パーセント削減した。

 エンジン部分のサイズもROMが181Kバイト、RAMが111Kバイトとコンパクト。辞書バイナリーのサイズについては、日本語辞書が約1.6Mバイト、英語およびヨーロッパ言語辞書が約1Mバイト、中国語辞書(簡体字)が約1.8Mバイト、中国語辞書(繁体字)が約1.7Mバイトなどとなっている。

 エンジンと辞書を合わせても最大で3Mバイト未満のRAM容量しか必要としない省メモリーにもかかわらず、日本語や英語をはじめとする22言語の予測入力に対応している点も同システムの売りとなっている。「スマートフォンのような豊富なメモリー容量を持たない機器でも、スマートフォンと同様の快適な予測入力機能に対応した多言語文字入力システムを簡単に搭載できる」(同社)という。