米Microsoftは現地時間2012年10月19日、昨年活動停止に追い込んだボットネット「Kelihos」に関する民事訴訟で被告と和解に至ったと発表した。

 Microsoftは2011年9月にKelihosボットネットを封鎖したことを明らかにし、同ボットネットに関わったチェコのDominique Alexander Piatti氏とその運営会社dotFREE Group SROを民事訴訟で名指しした(関連記事)。同ボットネットによって約4万1000台のコンピュータがマルウエアに感染し、スパムメッセージ送信、個人情報の収集、児童ポルノサイトの宣伝といった不正な活動に悪用されたと見られている。

 Microsoftは新たな証拠から2012年1月に訴状を修正し、ロシア人プログラマーのAndrey N. Sabelnikov氏を新たな容疑者として名指ししていたが、今回Sabelnikov氏と和解することで合意した。

 MicrosoftとSabelnikov氏の共同声明によると、Microsoftが提出した証拠を詳しく調べ、協議した結果、Sabelnikov氏が記述したコードがKelihosボットネットで使用されていたものの、Sabelnikov氏自身はKelihos攻撃に関わっていなかったとの見解に至ったという。なお和解条件についてはいずれも明らかにしていない。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると、最初に提訴されたPiatti氏とその会社は、Kelihosボットネットを含む不正行為に使用したすべてのサブドメインを削除あるいはMicrosoftに移管することで、すでに和解に応じている。

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