写真1●OpenAMのロードマップを解説する米ForgeRock 副社長 Alan Foster氏
写真1●OpenAMのロードマップを解説する米ForgeRock 副社長 Alan Foster氏
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写真2●OpenDJのロードマップ
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写真3●OpenIDMのロードマップ
写真3●OpenIDMのロードマップ
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 「2013年第2四半期にはOpenAMの10.1を正式リリース。クラウドダッシュボードや、OATH(One time AuTHentication)モジュールをサポートする」(米ForgeRock 副社長 Alan Foster氏、写真1)。オープンソースのシングルサインオン基盤OpenAMを開発する中心となっているForgeRockの副社長らが来日、2012年10月19日に開催された「OpenAM Summit」でロードマップなどについて解説した。

 OpenAMは、米Sun Micorsystemsが開発していたOpenSSOの事実上の後継となっているソフトウエア。ForgeRockは、Sun MicrosystemsがOracleに買収されたことにともない、OpenSSOを開発者していた技術者らが設立。オープンソース化されたOpenSSOをベースにOpenAMを開発、サポートを行なっている。Foster氏もSunでOpenSSO開発に携わっていた技術者だ。

 「OpenAM Summit」を開催したのは、OpenAMコンソーシアム。野村総合研究所、オープンソース・ソリューション・テクノロジ(OSSTech)、オージス総研といったOpenAMのサポートを手がける企業が設立した普及団体である。

 Foster氏は「2012年の第4四半期にOpenAM 10.1のXpressリリースを公開し、OAuth 2.0のプロバイダー機能などを提供する。2013年第2四半期には10.1を正式リリース。クラウドダッシュボードや、XACML(Xtensible Access Control Management Language、ザクムル)3のエディタを提供する。OATH(One time AuTHentication)モジュールをサポートする」など、OpenAMのロードマップを解説。LDAPサーバーOpenDJ(写真2)およびID管理ツールOpenIDM(写真3)のロードマップも紹介した。

 OSSTech 代表取締役の小田切耕司氏は「OpenAMのコミッタ37人のうち4人がOSSTechの社員」と開発への貢献を紹介。また北見工業大学や福岡大学などへOpenAMの導入事例を解説した。このほか、300万人のユーザーIDを管理している事例もあるという。

 オージス総研 プラットフォームサービス本部 IT基盤ソリューション第一部 マネージャーの八幡孝氏は「オージス総研が掲げる『百年アーキテクチャ』に、ベンダーからのサポート打ち切りリスクから開放されるOSSは重要な要素」と語り、同社が手がけた講談社の事例を紹介した。パブリッククラウドとオンプレミスを統合したシングルサインオンを、OpenAMで実現している。

 野村総合研究所 オープンソースソリューションセンター センター長の寺田雄一氏はシスメックスなどの導入事例を紹介。ある大手教育機関では100万人会員のシングルサインオンをOpenAMで構築しているという。