米Yahoo!は現地時間2012年10月18日、同年12月末をもって韓国の事業を閉鎖すると発表した。同社の長期成長戦略の一環として、事業の効率化と、より強いグローバルビジネス構築に向けた経営資源集中のためとしている。

 Yahoo!が韓国でサービスを開始したのは1997年。これまで同国でポータルサービスや検索広告ネットワークなどを手がけてきた。しかし過去数年間は事業環境が厳しさを増しており、事業の拡大は困難と判断した。

 海外メディア(米Wall Street Journal英Reuters)によると、韓国では「NAVER」を運営するNHN、「Daum」を運営するDaum Communicationsが検索トラフィックの大半を占めている。現地の市場調査会社によると、9月時点のポータルサービスの市場シェアはNAVERが52%、Daumが34%。これに対しYahoo! Koreaはわずか1.5%。韓国事業はYahoo!の事業全体を減速させているという。

 Yahoo!では、今年7月に元米Google幹部のMarissa Mayer氏が最高経営責任者(CEO)に就任し、経営改革を進めている(Yahoo!新CEOのMayer氏、「立ち止まらないでほしい」と社員にメッセージ)。海外メディアによると、Yahoo!がアジアで事業を閉鎖するのはこれが初めて。ただし同社は「アジア太平洋地域の事業は堅調」と述べており、今後もアジア地域の数百万人の利用者に向けてサービスを構築していくとしている。

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