セレクトショップ大手のユナイテッドアローズは2012年10月から、無線ICタグ(RFID)を使った商品管理システムの試験導入を始めた。まずは都内の2店で半年間使ってみて効果を見極める。そのうえで本格導入するかどうかを決める。

 試験導入するのは、主力ブランド「グリーンレーベルリラクシング」の渋谷マークシティ店とルミネ新宿店。「この2店は売り上げがトップレベル。ここで順調に運用できれば、他の店舗や業態にも横展開できる」(ユナイテッドアローズの小森谷郷事業支援本部情報システム部業務システムチームマネジャー)。小森谷マネジャーを中心にこの9月から、販売員への研修も始めた。

 狙いは販売員の接客時間を増やすことにある。新システムでは商品一つひとつにRFIDを取り付け、入出荷や精算時にまとめて情報を読み取る。例えば入荷時であれば、RFIDの読み取り機で箱ごと商品コードを読み取り、入荷計画とつき合わせる。これまでは1点ずつバーコードを読み取り、商品を管理していた。グリーンレーベルリラクシングでは現状で1万アイテムほどを扱っている。

 新システムは日本NCRのサービスをユナイテッドアローズ向けに改良した(関連記事)。小森谷マネジャーは日本NCRを選んだ理由に「コスト」と「他のシステムとの親和性の高さ」を挙げた。ユナイテッドアローズは店舗管理システムに日本NCRの仕組みを採用している。

 本格導入となれば、まずはグリーンレーベルリラクシングで対象店舗を増やす見込みだ。セレクトショップではビームスもこの9月からRFIDを使った商品管理システムを導入している(関連記事)。