千葉銀行と新潟県の第四銀行、岡山県の中国銀行は2012年10月18日、勘定系システムなどの共同利用に基本合意したと発表した。システム共同化によって、システムのさらなる安定稼働、ITコストの削減、商品・サービス開発のスピードアップなどを目指す。

 勘定系システムのほか対外系システム、コンビニATMなどのチャネル接続システムも共同化する。千葉銀のシステムをベースに共同システムを開発する。システム開発と稼働後の運用は日本IBMに委託する。3行が現在使う勘定系システムは、いずれも日本IBM製メインフレームで動作する。

 千葉銀が2016年1月に共同システムの利用を始める。その後、第四銀が2017年1月に、中国銀が同年5月に、それぞれ共同システムに移行する。

 3行と愛媛県の伊予銀行、石川県の北國銀行、福島県の東邦銀行は、システム共同化陣営「TSUBASA(翼)プロジェクト」を構成している。TSUBASA陣営はコールセンターやCRM(顧客関係管理)、営業店システムといった周辺システムの共同化を先行させてきた。銀行システムの中核を担う勘定系については、同陣営6行のうち3行が今回共同化を決めた。

 TSUBASA陣営のうち北國銀は既に、Windowsで動作する日本ユニシス製のオープン勘定系「BankVision」の採用を決めている。東邦銀は富士通製メインフレームで動作する共同システム「PROBANK」を導入済みだ。残る伊予銀は現時点では勘定系の刷新計画を表明していない。

 TSUBASA陣営を巡っては、複数のITベンダーが勘定系システムの争奪戦を繰り広げてきた。3行のメインベンダーである日本IBMにとっては、ひとまず既存顧客のつなぎ止めを果たした格好だ。

 地銀業界では、コスト削減や開発力強化などの目的で勘定系システムを共同化する動きが活発である。稼働予定を含めると8割の地銀が共同化に踏み切っている。