画面●「SPREAD for WPF 1.0J」で表を設計するところ。行・列が入り組んだ複雑な帳票も容易に作れる
画面●「SPREAD for WPF 1.0J」で表を設計するところ。行・列が入り組んだ複雑な帳票も容易に作れる
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 ソフトウエア開発者向けコンポーネント製品のグレープシティは2012年10月17日、Windowsパソコン用のアプリケーションソフト開発時に使う表計算(グリッド)コンポーネントの新製品「SPREAD for WPF 1.0J」を発表した。業務情報システム開発時に、複雑な帳票類を画面上で再現する際の開発作業を支援する(画面)。

 新製品の発売は12月5日で、価格は1開発ライセンス当たり16万8000円(開発用マシン1台にインストール可能)。主に、企業向けソフトウエア開発事業者への販売を見込む。

 「SPREAD for WPF 1.0J」は米Microsoftの統合開発環境「Visual Studio 2010/2012」(関連記事)でアプリケーションソフトを開発する際に、表計算画面(グリッド)を実装するのに特化したコンポーネントである。表の途中に「小計欄」を入れたり、複数のセルを連結して見やすくするといった細かな画面設計を容易にできるように作られている。

 製品名に含まれるWPF(Windows Presentation Foundation、関連記事)とは、Windows Vista以降のOSに搭載されているGUIフレームワークのこと。グレープシティが顧客の開発環境について調査したところ、WPFの採用率はわずか3%。それより前のバージョンのWindowsから搭載されているGUIフレームワーク「Windows Forms」の採用率が65%に上る(残りはWebフォームなど)。

 グレープシティの八巻雄哉ツール事業部テクニカルエバンジェリストは「当社の主な顧客である業務用アプリケーション開発者の間では今もWindows Formsの人気が根強い。ただし、Microsoftは既にWindows Formsの機能改良を打ち切っており、将来性のない“レガシー”な技術になっている。それよりも、技術面で多くの優位性があるWPFの利用を推奨していきたい」と説明する。

 WPFとWindows Formsは10月26日に発売される「Windows 8」でもサポートされる。Windows 8では新たなGUIフレームワークとしてタイル型のUI(旧称はMetro UI、関連記事)がサポートされるが、Microsoftは統合開発環境の新版「Visual Studio 2012」自体をWPFベースで実装するなど、業務用アプリケーション分野で引き続きWPFを重視する姿勢を示している。