米Wall Street Journalの技術系情報サイトAllThingsDは現地時間2012年10月15日、米Amazon.comの検索事業の幹部、William Stasior氏を米Appleが雇い入れたと報じた。Stasior氏は2006年からAmazonの商品検索/検索広告事業子会社、A9.comの最高経営責任者(CEO)兼社長を務めていた人物。それ以前は米Oracleや米AltaVistaなどで開発者やディレクターを務めており、自然言語処理、機械学習、情報検索などの分野で幅広い知識を持っている。

 Appleは音声アシスタント技術「Siri」部門の幹部としてStasior氏を迎え入れたもよう。同社は、Siriを開発した同名の新興企業を2010年に買収してモバイルソフトウエア部門に移管した後、同技術をiPhoneやiPadのサービスに取り入れている(関連記事:Apple、音声検索アプリの米Siri社を買収か)。しかしAllThingsDによると、SiriのCEOは昨年11月にAppleを去り、今年6月には共同創業者の1人も辞任している。こうしたことからAppleはSiri部門で優秀な人材を求めていたという。

 A9.comは、Amazonのオンライン小売りサイト向けの検索、広告サービスや画像認識技術を手がけている。IT系ニュースブログ、TechCrunchは今回のStasior氏の起用について、Appleは音声アシスタント技術の向上を図るとともに、大きな収益が見込めるオンライン小売り分野でSiriを活用していく可能性があると伝えている。