写真●ソフトバンクの孫正義社長
写真●ソフトバンクの孫正義社長
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 「我々がインターネットの世界で展開したタイムマシン戦略は、モバイルインターネットで次のステージを迎える。LTEによる高速化で生まれてくるコンテンツやサービスもしっかり刈り取る」――。米国第3位の移動通信事業者、スプリント・ネクステルの買収(関連記事)について報告したソフトバンクの孫正義社長は、会見に続いて行った質疑応答でこう語った。

 今回の買収が世界第3位の移動通信事業者になるだけにとどまらず、従来から標ぼうしてきた「インターネットカンパニー」としてもさらなる成長を狙った布石であるという狙いを説明した。

 さらに「実は、ダンさんとは米スプリントのCEOになる前から知り合いだった」、と意外な縁があったことを語り、今後、米国事業と国内事業の両輪で相乗効果を生み出していくという意気込みを強調した。質疑応答の内容は以下の通り。

今回の買収は、日本のユーザーにとってどのようなメリットがあるのか。

 買収によって経営基盤が大きくなると言うことは、安定した体制で設備投資が可能になり、これまで以上に加速できると言うことだ。

 世界3位の事業者になったことで、調達力が高まり、いままでよりも良い条件での交渉が可能になった。ネットワーク機器、端末、コンテンツ、いずれも最大級のものが得られるようになる。

 日本でのプラチナバンド(900MHz帯)やLTEの設備展開は、予定よりも早いピッチで整備している。今後より大きな規模で早く進めたい。電波のつながりについても、時間の問題で必ずNTTドコモやKDDIを超えてみせる。これは私の意地、ユーザーに対する約束だ。

いつスプリントの買収を決めたのか。

スプリントに照準を合わせたのは数カ月前だ。だがボーダフォン・ジャパンを買った時に「いずれは世界規模の会社になる」というのは心の中でずっと思っていたことだ。

米国の4位事業者T-モバイルによる5位事業者メトロPCSの買収に対し、スプリントを通じて参戦する予定はあるか。また、スプリントが出資するクリアワイヤについても買収するつもりか。

 可能性は何でもある。先のことについてはまだコメントしない。