写真1●デモに使った物理サーバー(下側の3台)
写真1●デモに使った物理サーバー(下側の3台)
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写真2●2台の物理サーバーにそれぞれ二つずつ接続された合計四つのディスクのファイルが分散配置されている
写真2●2台の物理サーバーにそれぞれ二つずつ接続された合計四つのディスクのファイルが分散配置されている
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写真3●一つのディスクがダウンすると別のディスクに冗長化度が減ったファイルがコピーされる。同じファイルを表す色の数が二つずつある点に注目
写真3●一つのディスクがダウンすると別のディスクに冗長化度が減ったファイルがコピーされる。同じファイルを表す色の数が二つずつある点に注目
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写真4●iPadを使ってSwiftストレージの詳細な稼働状況を確認しているところ
写真4●iPadを使ってSwiftストレージの詳細な稼働状況を確認しているところ
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 NTTデータは、2012年10月10日から12日にかけて東京ビッグサイトで開催中のICT関連総合イベント「ITpro EXPO 2012」において、オープンソースソフトウエア(OSS)を使った大規模ストレージでデータの冗長化構成状態を自動的に維持させるという技術デモを実演している。同技術を使うことで、「災害に強く、エコなクラウド構築に役立てられる」(同社)という。

 デモで利用しているのは、OSSのクラウド基盤ソフトウエアである「OpenStack」プロジェクトが開発した「Swift」という分散オブジェクトストレージ構築用ソフトウエアである。NTTデータでは、このSwiftを使った分散ストレージシステムの構築や運用監視、保守などをソリューションとして販売している。

 デモで使っているシステムでは、3台の物理サーバー(写真1)にSwiftをインストールしてストレージを構築。3台のSwiftサーバーのうち1台がユーザーからのアクセスを受け付ける「プロキシー」サーバーの役割を受け持ち、残りの2台が実際にファイルを分散配置する「ストレージ」サーバーの役割を担っているという。

 2台の物理サーバーにはそれぞれ二つの物理ディスクが接続されており、この2台の物理サーバーおよびそこに含まれる四つの物理ディスクに対して、冗長度を「2」と設定した状態でファイルが分散配置されている(写真2)。

 デモでは、この状態から一台の物理ディスクが突然ダウンしたケースを想定して強制的にマウントを解除。すると、すぐにSwift側がこれを認識し、冗長化数が減った(1になった)ファイルを別のディスクにコピーして冗長化数を増やす(2にする)という処理が自動実行される様子を来場客に見せていた(写真3)。

 もしその後ダウンしたハードディスクが復旧した場合、今度はコピーしたファイルが全体で三つになって冗長度が「3」になるが、この場合も速やかに余分なファイルが削除され、全体の冗長化数が適切に保たれるという。

 NTTデータでは、「Ganglia(ガングリア)」というOSSのサーバー監視ツール向けにSwift用のプラグインを独自開発しており、これに同じく自前で開発したWebベースのSwift稼働状況確認ツールを組み合わせて、iPadを使ってリモートからいつでもSwiftの状態を確認できる様子(写真4)も併せて披露していた。