写真1●「Trend Micro Mobile Security」で必須アプリのインストール状況を確認する画面
写真1●「Trend Micro Mobile Security」で必須アプリのインストール状況を確認する画面
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写真2●参考出展した「Trend Micro Mobile Security Service」の画面。SaaS型での提供を予定している
写真2●参考出展した「Trend Micro Mobile Security Service」の画面。SaaS型での提供を予定している
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 トレンドマイクロは、2012年10月12日まで東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2012」で、法人用のモバイル端末セキュリティ管理ソフト「Trend Micro Mobile Security」のデモを披露している。Mobile Securityは企業内パソコン用のセキュリティ管理ソフト(「ウイルスバスター Corp Plus」など)のモバイル端末版という位置づけの製品だ。

 一般的なウイルス対策機能のほかに、必要なアプリをインストール済みかどうかを管理する機能(写真1)、「jailbreak」などと呼ばれる不正な改造を検出する機能、端末の盗難・紛失時に遠隔ロックする機能などを備える。企業がモバイル端末を導入したり、従業員が自分のモバイル端末を業務に使うBYOD(私物デバイス利用)を認めたりする際に必要な機能を提供している。

 多種多様なモバイル端末を一元的に管理できるのが大きな特徴。現在はWindows Mobile、Android、iOS、BlackBerryを搭載したスマートフォン/タブレット端末に対応している。リリースされたばかりのiOS 6にも既に対応済み。さらに2013年春をメドに、Windows Phone/Windows RT(Windows 8のスマートフォン/タブレット版)にも対応することを明らかにした。

 Mobile Securityは発売から数年たつが、当初の対応機種はWindows Mobileのみで、企業での普及台数が限られていたため、あまり引き合いは多くなかったという。だが「iPhone/iPadやAndroid端末が普及したことで、去年、今年と急激に引き合いが増えている」(ブース担当者)。

 ただし現時点では、部署や端末台数を区切って「パイロット導入」する形での利用が多い。「トレンドマイクロのツールは強力な管理機能を持つが、業務外アプリやWebサイトの利用を全面禁止するような運用は現実的ではない。多くの顧客企業では、まずパイロット導入して、モバイルデバイスの運用ポリシーを探っている段階だ」(同)という。

 現在は、大企業の利用を想定したサーバーインストール型の製品のみを提供しているが、中堅・中小企業からの引き合いも強いため、同じ機能をトレンドマイクロが管理するサーバーを通じてSaaS方式で提供する「Trend Micro Mobile Security Service」を参考出展した(写真2)。現在開発を進めており、2013年に発売する予定だ。これを利用すれば、企業は管理用サーバーを用意しなくてもモバイル端末管理機能を利用できる。