写真1●特別セッション「会場審査で見えた2013年のICTトレンド」(撮影:中村宏)
写真1●特別セッション「会場審査で見えた2013年のICTトレンド」(撮影:中村宏)
[画像のクリックで拡大表示]

 2012年10月11日、メインシアターの特別セッション「会場審査で見えた2013年のICTトレンド」において、ITproの吉田琢也編集長と高橋信頼副編集長が、ITpro EXPO AWARD 2012の受賞製品/サービスを紹介。ICTのトレンドを反映した評価のポイントを解説した(写真1)。

 ITpro EXPO AWARDは、ITpro EXPOおよびその同時開催イベントの中から、優れていると同時に来場者に分かりやすくインパクトのある製品およびサービスを表彰するもの。日経BP社のICT系媒体の編集部、および協力メディアであるCNET Japan、ITmedia エンタープライズが共同で取材し、審査する。ITpro EXPO開始以来毎回行われている名物企画だ。今年の受賞製品とサービスも、ICTのトレンドを示すものとなった(速報ニュース:EXPO AWARD 2012決定)。

大賞はビッグデータ時代にふさわしいBIアプライアンス

写真2●左からITproの吉田琢也編集長、ITpro EXPO AWARD 2012の大賞を受賞した日立製作所 ソフトウェア本部ビッグデータソリューション部担当部長 山口俊朗氏、DTS 新市場開発企画営業部マネージャー 横溝雅彦氏(撮影:中村宏)
写真2●ITpro EXPO AWARD 2012の大賞を受賞した日立製作所 ソフトウェア本部ビッグデータソリューション部担当部長 山口俊朗氏(中央)と、本製品を共同開発したDTSの新市場開発企画営業部マネージャー 横溝雅彦氏(右)(撮影:中村宏)
[画像のクリックで拡大表示]

 ITpro EXPO AWARD 2012の大賞を受賞した日立製作所の「Hitachi Advanced Data Binder プラットフォーム BIアプライアンス(以下、HADB プラットフォーム BIアプライアンス)」は、ビジネスインテリジェンス(BI)専用のアプライアンスサーバーだ。DTSと共同で開発した。

 コアとなるHADB プラットフォームは、RDBを使う従来型の製品に比べて約100倍高速なデータ検索処理を可能としており、展示ブースでは2億件のデータから2000万件のデータをごく短時間で抽出するデモを見せた(関連記事)。超高速DBエンジンにBIツールを最適化してパッケージ化したHADB プラットフォーム BIアプライアンスは、膨大なデータを対象にしながらも手軽に分析できる。AWARDの審査では、このビッグデータ時代にふさわしいICTソリューションの可能性を分かりやすくアピールした点が特に高く評価された。

 セッションには日立製作所 ソフトウェア本部ビッグデータソリューション部担当部長の山口俊朗氏、DTSの新市場開発企画営業部マネージャーの横溝雅彦氏が登壇した(写真2)。

 日立の山口氏は受賞の挨拶で、「東京大学との共同研究で開発した技術を、業務で使えるBIアプライアンスにまで仕上げた」と語った。その上で、「もともと既存のリレーショナルデータベースを使って開発していたが、目標の性能が出ないため、ゼロから作ることになった」と開発中の苦労を振り返った。「現在の性能は従来比で100倍程度だが、800倍を目標に開発を進めていく」とさらなる高速化の意欲を示した。

 一方、ユーザーがデータを活用しやすくするためのカギとなるBIソフトを開発しているのがDTS。同社の横溝氏は「BIが生きるのは高速なエンジンがあってこそ。今後も日立製作所と協力し、新たなビジネス創造に貢献したい」と抱負を語った。