写真1●白熱したパネルセッション(写真:新関雅士、以下同)
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写真2●カブドットコム証券 社長付 IT戦略担当の谷口有近氏
写真2●カブドットコム証券 社長付 IT戦略担当の谷口有近氏
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写真3●さくらインターネット研究所上級研究員の大久保修一氏
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写真4●NTTデータビジネスソリューション事業本部ネットワークソリューションBU部長の馬場達也氏
写真4●NTTデータビジネスソリューション事業本部ネットワークソリューションBU部長の馬場達也氏
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写真5●ブロケード コミュニケーションズ システムズ Cloud Technology Officerの小宮崇博氏
写真5●ブロケード コミュニケーションズ システムズ Cloud Technology Officerの小宮崇博氏
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 ネットワーク業界の話題となっているOpenFlow/SDN。東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2012」でも、会場内の「OpenFlow/SDNランド」を中心に各社の最新のソリューションが一堂に介しており、その盛り上がりぶりを実感できる。その一方で、ベンダーがOpenFlow/SDNについて夢や可能性を語り過ぎるあまり、ユーザー企業の現実的な感覚とギャップが生じつつあるのではという指摘もある。

 ITpro EXPO 2012において2012年10月11日、そんなギャップを埋める注目すべきパネルセッションが開催された(写真1)。「OpenFlow/SDNはブームか本物か~ユーザー×ベンダーが語る可能性と実用性~」と題し、ユーザー企業の立場として、カブドットコム証券 社長付 IT戦略担当の谷口有近氏(写真2)と、さくらインターネット研究所上級研究員大久保修一氏(写真3)が登壇。さらにコントローラーのベンダー、SIerとしての立場でNTTデータビジネスソリューション事業本部ネットワークソリューションBU部長の馬場達也氏(写真4)、スイッチベンダーとしてブロケード コミュニケーションズ システムズ Cloud Technology Officerの小宮 崇博氏(写真5)が参加するセッションとなった。司会は日経NETWORK 副編集長 兼 日経コミュニケーション副編集長の加藤雅浩が務めた。

 関心の高さを示すように、500人定員の会場は奥の席までほぼ満員の状況。4人の本音トークが炸裂し、会場内は多いに盛り上がった。

 まずパネリスト4人のスタンスとしては、OpenFlow/SDNへは概ね賛同という立場。カッブドットコムの谷口氏は、OpenFlowは通過点という捉え方だが、これからのネットの海を泳ぐには「SDNが必要」という考えを示す。さくらインターネット研究所の大久保氏も、大規模なデータセンター事業者としてVLAN(仮想LAN)数の制限にとらわれないOpenFlow/SDNに関心を持ち、特にオーバーレイ方式のSDNモデルについて検討を進めているという。

 NTTデータの馬場氏は、ベンダーに依存しない標準のネットワーク制御プロトコルという理由からOpenFlowに着目し、自社でコントローラーを作成しソリューションを提供している。コントローラーを作っているものの、立ち位置はOpenFlowを使うユーザーに近いと強調する。

 ブロケードの小宮氏は、スイッチベンダーとしてOpenFlow/SDNの賛同者であり、最近ではOpenFlow/SDNでどのように新たなビジネスの価値を生み出すのかという点に関心があると話す。