写真●ビニールハウスなど施設内の環境情報をタブレット端末などで可視化できる
写真●ビニールハウスなど施設内の環境情報をタブレット端末などで可視化できる
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通は、ビニールハウスなどでの作物栽培(施設園芸)を支援するクラウドサービスを、2012年10月10日から開催中の「ITpro EXPO 2012」に参考出展している。暖房機などをLANで接続して制御する点が特徴。施設内に設置した3G端末を使い、環境情報を遠隔地から確認、制御することができる。

 暖房機や換気扇などの温度調整機器には、UECS(Ubiquitous Environment Control System)規格の通信モジュールを組み込む。UECSは施設園芸分野における通信規格で、富士通などが研究会に参加している。ネットワークにLANを利用するため、安価で汎用性の高い環境制御システムを構築できるという。

 施設内の環境情報は、温湿度センサーや日射量センサーなどの情報を収集し、3G回線経由でPCやタブレット端末から確認する(写真)。施設内の温度が低ければ暖房をつけるといった操作を、PCやタブレット端末から実施できる。あらかじめしきい値を設定しておくことで自動的に制御することも可能だ。将来は収集したデータを分析し、生産性の向上などにも役立てる計画だという。

 富士通は本サービスの実証実験を2012年8月から福岡県糸島市で実施している。期間は1年間。実際のユーザーに利用してもらい、「使い勝手などを確認してもらっている」(会場の説明員)という。