2012年10月10日から東京ビッグサイトで開催中のITpro EXPO 2012において、日本IBMが4月に発表した最新鋭のx86サーバー「IBM Flex System」の実機を展示している。これまで一部関係者向けに公開されることはあったが、一般向けに公開されるのはこれが初めて。
Flex Systemは、限られたスペースで最大限のコンピュータリソースを確保することを目指したハードウエア。10Uサイズのラックマウント型シャーシ(写真1)に最大14台の計算ノード(サーバー)を収容できる。シャーシの直販価格は87万9900円(税込み)、ノード「x240」(CPUはXeon E5-2603 4コアを2つ搭載可能)は1台当たり32万3400円(税込み)。
ブースではノードに手を触れて中身まで見ることができる(写真2)。設計段階で筐体内の空気の流れを緻密に計算し、空気冷却効果が最大になるように部品を配置している。x86サーバーには珍しくDIMMメモリーソケットは24もあるが、これらは外側に平行に配置して、空気の流れを助けている。
大きな発熱源である2つのCPUについては、冷却ファンに近い側は主に銅を素材とした放熱カバー、遠い側(内側)はアルミを素材とした放熱カバーを使って、温度差によって空流を促すようになっている。日本IBMシステムx事業部の柴田直樹システムズ&テクノロジー・エバンジェリストは「企業向けサーバー分野で蓄積してきた技術力を詰め込んでいる」と話す。
コンピュータ大手の中ではx86サーバーのシェアが低い日本IBMは、新版OS「Windows Server 2012」の発売を、シェア向上の契機にしたい考えだ。展示ブースでは「Windows Server 2012 Datacenter Edition IBM版」のデモを披露すると共に、仮想化技術「Hyper-V」を使ってシャーシの中にクラウド環境を作る「IBM Hyper-V Flex Cloud」についても説明。この分野では、Windowsソリューションで実績があるCSK Winテクノロジ、日本ビジネスシステムズの2社と協業することを明らかにした。