写真●ソニックスが提供しているAndroid開発者向けのテストプラットフォームサービス「Scirocco Cloud」
写真●ソニックスが提供しているAndroid開発者向けのテストプラットフォームサービス「Scirocco Cloud」
[画像のクリックで拡大表示]

 ソニックスは、2012年10月10日から東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2012」において、Android開発者向けのテストプラットフォームサービス「Scirocco Cloud」(シロッコ・クラウド)をデモ展示している。

 Scirocco Cloudは、Androidアプリを開発する際などに必要となることが多い「複数台の実機を使った動作テスト」をクラウド経由で遠隔実行できるようにするというユニークなサービス。ソニックス社内に50台以上のAndroid端末が設置してあり、テストを実行したいユーザーは、Webブラウザー経由でこれらをほぼリアルタイムに遠隔操作し、実行結果を受け取れるようになっている(写真)。

 テストは、Webブラウザー上に表示された端末の画像に対して、タップやフリックなどの実際の操作をマウスを使って指示する形で実行できるほか(手動実行)、シナリオ(テストスクリプト)を使った自動テストも可能。スクリプトを書くのが苦手なユーザー向けに、マウスによる操作手順を逐一記録して、テストスクリプトに自動変換するツール「テストレコーダー」(ベータ版)も提供しているという。

 利用料金は月額1万5750円。1日8時間までなら何台(何種類)のデバイスを利用してテストを実行しても利用料金は変わらないが、自動テスト実行は同時に1台までに制限されている(複数同時実行させたい場合の料金は個別見積もり)。利用時間が1日1時間までで、ログの出力や上述のテストレコーダー機能などが使えないなどの制約がある無償サービスも提供している。

 何十台もの端末を利用し放題で月額1万5750円という価格はかなり安いように思える。この点について同社ブース内の説明員に尋ねたところ、「Androidアプリの開発は小規模な案件が多く、このくらい安い料金設定が現実的だと考えた。開発者もテスト者も同じというケースもよくあり、このサービスを使って少しでもテストに費やす時間を削り、開発に専念してほしいという社会貢献の意図もある」とコメントした。