写真●DaaS(仮想デスクトップサービス)にアクセスしている様子。RVECクライアントとICAクライアントを比較している
写真●DaaS(仮想デスクトップサービス)にアクセスしている様子。RVECクライアントとICAクライアントを比較している
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 富士通は2012年10月10日、同社のDaaS(仮想デスクトップサービス)の画面再生能力を高める拡張機能「RVECオプション」をITpro EXPO 2012に参考出展した(写真)。更新頻度が高い画面をRDP(Remote Desktop Protocol)よりもスムーズに再生できるとしている。2012年末か2013年初頭に、専用クライアントソフトとともに提供開始する。展示会場では、専用クライアントのデモを見せている。

 RDPやICA(Independent Computing Architecture)などの一般的な画面転送プロトコルの代わりに、RVECと呼ぶ富士通研究所が開発した独自プロトコルを使って仮想デスクトップにリモートアクセスする。クライアントソフトはRVEC専用のものを使うことになり、Windows版とAndroid版を提供する。

 RVECの特徴は、動画再生能力が高いことである。富士通研究所の試験環境では、RDPと比較して動画再生時のデータ転送量を最大で10分の1に削減できたとしている。より少ない帯域幅で動画をなめらかに再生できるようになる。もともとは、CAD/CAM/CAEなどの製造業向けソフトをSaaS型で提供する「エンジニアリングクラウド」(関連記事)で採用しているプロトコルであり、今回これを汎用のDaaS向けに提供する。

 RVECによって転送データ量が減る仕組みは、静止画の圧縮フォーマットに加えて、動画の圧縮フォーマット(MPEG)を併用することである。画面の更新頻度に応じて、動画として扱う領域と静止画として扱う領域を自動的に分割して送信する。画面の更新頻度が高いケースでは、すべてを静止画で転送する場合と比べて転送データ量を低く抑えることができる。