「OpenFlow/SDNに関する最新のハードウエア/ソフトウエアが集まった。どのブースにも動態展示があり、来場者が参加できる双方向型のデモになっている。ぜひ自身で触って試してみてほしい」---。東京ビッグサイトで開催されている「ITpro EXPO 2012」展示会のメインシアターのトレンド解説「OpenFlow/SDNの今の実力を体感しよう~主催者企画『OpenFlow/SDNランド』の歩き方」で、日経NETWORK/日経コミュニケーションの加藤雅浩副編集長(写真)はこう強調した。
OpenFlow/SDNランドとは会場内に設けた展示エリア。13の展示ブースがある(表)。13の展示ブースはさらに3つのゾーンに分かれているという。(1)基本が学べる「OpenFlowの世界」、(2)応用がわかる「ネットワーク仮想化/SDNの世界」、(3)ユースケースが見られる「OpenFlow/SDNを超えた世界」---である。それぞれのゾーンにおける展示内容を以下のように紹介した。
OpenFlowの基本とメリットがわかる
第1のゾーン「OpenFlowの世界」では、OpenFlowの基本動作がわかるデモが用意されている。ブロケード コミュニケーションズ システムズが実施するものがそれだ。4台のコンピュータとOpenFlowスイッチをつなぎ、そのトポロジー(接続形態)をプログラムから動的に変更する。通常はあり得ないトポロジーでも通信できていることが、各コンピュータにつないだディスプレイにビデオストリームが映るかどうかで確認できる。加藤副編集長は「注目してほしいのが、ビデオストリームを受信する3台にあえて同じMACアドレスとIPアドレスを割り当てていること。それでもOpenFlowのフロー制御によって問題なく通信ができる」と説明した(図1)。
OpenFlowのメリットとして最も注目されている「仮想ネットワークの構築・運用」のデモを実演するのが、NTTデータだ。OpenFlowスイッチと物理サーバーで構成した物理ネットワーク上に、論理構成の異なる2つの仮想ネットワークを構築する。それが管理ソフトのGUI画面で、アイコンをマウス操作するだけで処理が完結する様子を見せる。
エヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC)のデモは、仮想ネットワークの構成を管理ソフトから変更すると、OpenFlowによって指示通りに物理ネットワークの構成に反映されることが実感できるというもの。OpenFlowスイッチを複数台メッシュ接続した物理ネットワークを構築し、そのうちの1台の電源をオフにすると、コントローラー側の指示で自動的に経路が変更されることを実演している。