写真1●Bluetus端末(手前)と受信した情報を表示したスマートフォン
写真1●Bluetus端末(手前)と受信した情報を表示したスマートフォン
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●端末はコンセントアダプタと組み合わせて設置することを想定している
写真2●端末はコンセントアダプタと組み合わせて設置することを想定している
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●Bluetusで配信する情報を書き換える画面
写真3●Bluetusで配信する情報を書き換える画面
[画像のクリックで拡大表示]

 センサー機器開発などを手がけるイーアールアイは、東京ビッグサイトで開催中の展示会「ITpro EXPO 2012」で、Bluetooth通信を使った情報配信システムの試作品を参考出展している(写真1)。

 USB給電で稼働する情報配信端末「Bluetus(ブルータス)」を使って、Bluetooth対応のスマートフォンやタブレットに位置情報やURLなどを配信するというもの。特徴は、一般的なBluetooth通信で必要となる機器同士のペアリング操作をせずに情報を受信できる点である。スマートフォンのBluetooth通信機能をオンにすると発信されるデバイス探索に応答して、独自フォーマットで記述した情報をBluetus端末からスマートフォンに送り返す仕組みになっている。

 スマートフォンは送り返された情報をBluetus専用のアプリで読み込み、情報の種類に応じて地図アプリやブラウザを起動する。一般的なBluetooth機器がデバイス名や機器の種類、プロトコル名をスマートフォンに応答するシークエンスを使うため、配信できる情報量は約240バイトに限定される。Bluetus端末名や緯度経度情報、URL程度の文字列であれば同時に送信可能だという。

 イーアールアイでは同機器を駅構内やショッピングモールなどに複数設置し、GPSが受信できない屋内で現在位置をユーザーに知らせたり、店舗内に設置してクーポン配信やスタンプラリーに活用することなどを想定している。複数のBluetus端末を使うと電波強度の差によって、より細かな位置情報を知らせたり、誘導する方向を示すことも可能だという。

 時間帯によって配信するクーポンの内容を変えるといった情報の書き換えは別のスマートフォンアプリから行う(写真2写真3)。試作機の段階で価格は未定だが、「まずは実証実験などで活用してもらうことを想定している」(技術部プロジェクトマネージャーの三浦淳氏)という。