写真1●19インチラックに高く積み上げられた機材群。イーサネットファブリックを構成する日立電線のL3スイッチ「Apresia15000」をマウント
写真1●19インチラックに高く積み上げられた機材群。イーサネットファブリックを構成する日立電線のL3スイッチ「Apresia15000」をマウント
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写真2●米ニシラの「NVP」を構成するサーバー群
写真2●米ニシラの「NVP」を構成するサーバー群
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写真3●左側が米ニシラのNVPの操作画面。右側が日立電線のイーサネットファブリックの管理画面。右側上部の画面で赤の点線となっているのは、物理ネットワークに障害が起きたことを示している。右側下部では各スイッチ間の通信量を確認でき、障害が起きて経路が変わった状態でもトラフィックが自動的に分散している様子が分かる
写真3●左側が米ニシラのNVPの操作画面。右側が日立電線のイーサネットファブリックの管理画面。右側上部の画面で赤の点線となっているのは、物理ネットワークに障害が起きたことを示している。右側下部では各スイッチ間の通信量を確認でき、障害が起きて経路が変わった状態でもトラフィックが自動的に分散している様子が分かる
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 日立電線は2012年10月10~12日に開催中の展示会「ITpro EXPO 2012」内の特設エリア「OpenFlow/SDNランド」にて、イーサネットファブリックとネットワーク仮想化プラットフォームを組み合わせたデモを展示している。

 デモの構成は、まず同社のL3スイッチ「Apresia15000」を使って、マルチパス構成を採れるイーサネットファブリック環境を構築。これらスイッチの各ポートにそれぞれサーバーを接続し、このサーバー上に仮想マシン(VM)や仮想スイッチ(Open vSwitch)を走らせている。

 ネットワーク仮想化環境としては、先ごろ米ヴイエムウェアに買収されて話題を呼んだ米ニシラのオーバーレイ方式のSDNソリューション「NVP(Network Virtualization Platform)」を利用する。NVPでは、サーバー上の仮想スイッチをトンネルで結び、その経路をOpenFlowプロトコルで制御することで仮想ネットワーク環境を実現する。これらのデモ用機材は19インチラックに高く積み上げられており迫力満点だ(写真1写真2)。

 デモでは、ニシラのNVP画面を操作しながら、オーバーレイ方式のSDN(Software Defined Network)モデルの動作の仕組みをひと通り確認できる。さらに日立電線のイーサネットファブリックと組み合わせることで、例えば物理ネットワークに障害が起きた場合も、他の経路を使って効率的に負荷分散できる様子も見られた(写真3)。

 通常のトンネリングプロトコルを利用するオーバーレイ方式の仮想ネットワークソリューションの場合、IP単位やUDP単位でしか負荷分散できず、仮想ネットワーク上で論理的に経路が分散していても、物理ネットワーク上ではパケットが偏るケースがある。

 日立電線のApresiaとNVPの組み合わせでは、NVPで用いるSTT(Stateless Transport Tunneling)というトンネリングプロトコルのヘッダー情報からフロー単位でパスを振り分けられる。これによって、物理ネットワーク上で効率よく負荷分散している様子も確認できた。