日立電線は2012年10月10~12日に開催中の展示会「ITpro EXPO 2012」内の特設エリア「OpenFlow/SDNランド」にて、イーサネットファブリックとネットワーク仮想化プラットフォームを組み合わせたデモを展示している。
デモの構成は、まず同社のL3スイッチ「Apresia15000」を使って、マルチパス構成を採れるイーサネットファブリック環境を構築。これらスイッチの各ポートにそれぞれサーバーを接続し、このサーバー上に仮想マシン(VM)や仮想スイッチ(Open vSwitch)を走らせている。
ネットワーク仮想化環境としては、先ごろ米ヴイエムウェアに買収されて話題を呼んだ米ニシラのオーバーレイ方式のSDNソリューション「NVP(Network Virtualization Platform)」を利用する。NVPでは、サーバー上の仮想スイッチをトンネルで結び、その経路をOpenFlowプロトコルで制御することで仮想ネットワーク環境を実現する。これらのデモ用機材は19インチラックに高く積み上げられており迫力満点だ(写真1、写真2)。
デモでは、ニシラのNVP画面を操作しながら、オーバーレイ方式のSDN(Software Defined Network)モデルの動作の仕組みをひと通り確認できる。さらに日立電線のイーサネットファブリックと組み合わせることで、例えば物理ネットワークに障害が起きた場合も、他の経路を使って効率的に負荷分散できる様子も見られた(写真3)。
通常のトンネリングプロトコルを利用するオーバーレイ方式の仮想ネットワークソリューションの場合、IP単位やUDP単位でしか負荷分散できず、仮想ネットワーク上で論理的に経路が分散していても、物理ネットワーク上ではパケットが偏るケースがある。
日立電線のApresiaとNVPの組み合わせでは、NVPで用いるSTT(Stateless Transport Tunneling)というトンネリングプロトコルのヘッダー情報からフロー単位でパスを振り分けられる。これによって、物理ネットワーク上で効率よく負荷分散している様子も確認できた。