写真1●ITpro EXPO 2012のKVHブース
写真1●ITpro EXPO 2012のKVHブース
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写真2●KVHプライベートクラウドパッケージの「クラウドコントローラー」画面
写真2●KVHプライベートクラウドパッケージの「クラウドコントローラー」画面
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 米系通信事業者のKVHは2012年10月10日、新たに「KVHプライベートクラウドパッケージ」の提供を始めた。これまで一部の顧客企業に提供していたプライベートクラウドサービスをパッケージ化した。専用物理サーバー(HP DL360 G8)3台、OS(Citrix XenServer)のライセンス、L2スイッチ2台などを含む基本構成パッケージの価格は、初期費用無料、月額60万円(税抜き、契約年数3年間)である。

 10日から12日まで東京ビッグサイトで開催中のITpro EXPO 2012展示会のKVHブース(写真1)で、詳細を説明するデモを披露。特に、KVHがこれまでのクラウドサービス提供を通じて培ってきたノウハウを組み込んで独自開発した管理ツール「クラウドコントローラー」(写真2)の利便性をアピールしている。

 クラウドコントローラーでは、物理サーバー・仮想サーバーを同列に並べて、計算能力やメモリーなどのリソースを一元管理できる。稼働率が低い仮想サーバーのリソースを高い仮想サーバーに転用するといった操作を、画面上で簡単に実行できるのが特徴だ。

 物理・仮想サーバー用OSにはCitrix XenServerのほか、Ubuntu Linux、Windows 2008 R2なども利用できる。Windows Server 2012にも近日中に対応する。

10月15日には東京都内で第4データセンター稼働

 KVHは米国資本の通信事業者。自前でネットワーク回線やデータセンター設備などを保有している。今回のパッケージ提供開始に合わせ、10月15日から東京都内に「KVH東京データセンター3」(サーバールーム面積766平方メートル)も稼働させる。日本国内では、大阪市、千葉県印西市などに続く4カ所目のデータセンターに当たる。

 事業開発本部の近藤孝至シニアエキスパートは「我々はインフラ事業者として初期投資のリスクを自ら負っているので、サービスの初期費用をゼロにしてもビジネスが成り立つ。コンピュータメーカー系やシステムインテグレーター系のクラウドサービスとは違う」と説明する。

 KVHは日本の通信事業者系クラウドサービスとも競合するが、他社より規模が小さい分、細かなセキュリティ設定やネットワーク制御などの要望があっても小回りがきく。かなり詳細な要件がある場合でも、1週間以内に提案書を提示できるという。海外展開している顧客企業への対応に強みがある点もアピールしていた。

[KVHの発表資料]