写真●販売、稼働などの情報を基にして、ライフサイクル管理を実施する。この画面では、得た情報から巡回サービスの適切なタイミングを推測して示している
写真●販売、稼働などの情報を基にして、ライフサイクル管理を実施する。この画面では、得た情報から巡回サービスの適切なタイミングを推測して示している
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 日立製作所は、東京ビッグサイトで開催中のITpro EXPO 2012展示会で、販売した機器のライフサイクルを管理するための製造業向けサービス「Global e-Service on TWX-21」を出展、デモを行っている。グローバルで事業を展開する日本の製造業を対象にしたサービスで、機器のライフサイクル管理を手軽にできるようにして事業の付加価値を高めることが狙いだ。

 「Global e-Service on TWX-21」は、2012年7月に発表したサービス。同社の説明員によれば、展示会での一般へのデモは、日立製作所のプライベート展に次いで今回のITpro EXPO 2012が2回目になるという(写真)。機器の製造や販売から稼働、保守といった一連の情報を収集・蓄積し、保守運用サービスの提供や製品寿命に応じた次回販売提案につなげるライフサイクル管理に役立てる。サービスはSaaS型で提供し、インターネット環境とパソコンなどの端末があれば世界のどこからでも利用できる。日本語以外の多言語にも対応する。販売や保守といった直接のイベント情報の管理に加え、稼働状況を推測することによる点検や修理のタイミングの予測もできる。

 このサービスは、日立建機が12年以上にわたり利用してきたシステムを基にして、SaaS型で外販するサービスに仕立てたもの。日立建機のノウハウを生かしながら、グローバルのライフサイクル管理を低コストで迅速に実現したい企業に向けて提供する。「SaaS型なので、新興国などでもパソコンとインターネット環境さえあれば利用できる。国内だけの利用も可能だが、グローバルでデータを蓄積することで新しいビジネスチャンスや付加価値提供につながる。対象は建設機械やエレベーター、医療機器などの高額な機器が中心になると考えている。アフターサービスなどの付加価値を高めることで、日本の製造業の国際的な競争力強化に貢献したい」(説明員)と意気込みを見せる。

 現状ではライフサイクル管理の基となる情報は手動で入力する。説明員によれば「2013年にはM2M(マシン・ツー・マシン)型のシステムに対応して、自動的に情報を収集する仕組みと連動させることを計画している」という。