「IT部門はこれまでの常識を捨て去り変わらないと、世の中に取り残される」。ガートナー コンサルティングの和田智之マネージング パートナーは、ガートナージャパンが2012年10月5日まで都内で開催している「Gartner Symposium/ITxpo 2012」の中でこう警鐘を鳴らした。変化を突きつけているのは「IT部門の外で起こっている変化」(和田氏)である。

 「これからのテクノロジが促す、ユーザー企業IT部門の変質」と題した講演の中で和田氏は「IT部門は企業内のデータを整えて、決められたことを淡々とこなすだけでは価値が下がっていく」と指摘。企業外のインターネットなどにある非定型データをビジネスに活用したり、利用部門のビジネスを支援したりすることが必要と強調した。

 IT予算に対する影響力も弱まりつつあるという。和田氏によると、2015年までに企業のIT支出の35%がIT部門の予算外となり、利用部門のマーケティングなどに使われることになる。「既に海外のトップ企業は、そうした状態になっている」(和田氏)。

 こうした状況を踏まえて「IT部門は数字の正確性などにこだわり過ぎる内向きの姿勢から、外向きに行動を変えるべきだ。この局面はIT部門にとってはチャンスでもある」と締めくくった。